研究課題/領域番号 |
03454448
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
津留 宏道 広島大学, 歯学部, 教授 (90034157)
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研究分担者 |
久保 隆靖 広島大学, 歯学部, 助手
赤川 安正 広島大学, 歯学部, 助教授 (00127599)
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キーワード | ジルコニア / 骨ーインプラント界面 / 上部構造物 / 組織形態計測 / インプラントブリッジ / 単独植立 |
研究概要 |
本研究の目的は、in vivoにおける生体力学的研究成積を集積し、科学的根拠に基づいたジルコニアインプラントの上部構造物の設計ガイドラインを提示することである。平成3年度においては、日本猿成猿8頭のM_1P_2P_1|P_1P_2M_1を抜歯し、3ケ月の治癒期間後、同部にジルコニアスクリュ-インプラント(直径4mm、長さ20mm)を左右各2本ずつ計4本植立した。その後、インプラントの安静を保つため、3ケ月間軟かい飼料による飼育を行い、骨接触界面の獲得を図った。次いで、以下の3条件のもとに上部構造物を設計、装着してインプラントに機能圧を負荷した。(1)単独植立したインプラント (2)複数の連結されたインプラント (3)インプラントと隣在天然歯との連結 現在経過観察中であるが、臨床的には、安静植立後に動揺のみられた1本をのぞいて、いずれの条件下のインプラントも口腔内で安定し、上部構造物装着後も動揺や周囲組織の著明な経時的変化は認められない。またインプラント周囲歯肉は天然歯周囲歯肉と同等の健康な状態を示している。これらの臨床成積や、これまで報告されている数多くの優れた特徴から、ジルコニアは、インプラント材料として従来用いられてきた金属や他のセラミックとは異なる極めて有望な素材であると考えられる。 今後は、機能圧負荷後12および24ケ月(インプラント植立後15および27ケ月)の時点で各4頭の実験動物を屠殺し、X線学的観察を行う。さらにインプラントを含む非脱灰研磨標本を作製し、インプラント・骨界面の光顕的観察を行うと共に、画像解析システムを用いて、定量的解析である組織形態計測を実施し、ジルコニアインプラントを用いた上部構造物の設計ガイドラインを生体組織像のもとに明らかにする予定である。
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