研究課題/領域番号 |
03454455
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
宮崎 光治 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (40050041)
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研究分担者 |
遠藤 剛 東京工業大学, 資源化学研究所・所長, 教授 (40016738)
稲永 昭彦 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (30105704)
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キーワード | スピロ誘導体 / 修復用レジン / アクリレート / イオン重合 / 光増感剤 / 光重合 |
研究概要 |
スピロオルソエステル(SOE)構造を側鎖に持つアクリレート(ASOE)およびやメタクリレート(MASOE)を合成し、イオン重合開始剤(BSS、HPSS)・増感剤(ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ペリレン、チオキサントン、ピレン、フェノチアジン、チオフラビン、コロネン、テトラフェン、アクリジン)系による光増感重合について光反応熱測定装置(光源:水銀・キセノンランプ、250-550nm)を用いて検討した。その結果、両モノマーはイオン重合開始剤を単独で使用したときに比べて、重合率が高くなり、重合速度が促進される傾向が認められ、明らかに増感剤の添加によって重合性が改善されることが確認された。特にBSSに対してはベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテルが、また、HPSSに対してはチオキサントン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテルが効果的であった。スピロ環誘導体の開環重合は加熱重合が一般的であるが、このモノマーの特性である非収縮性を歯科材料の改善に有効に生かすためには常温重合法の確立が不可欠であり、本実験の結果、スルフォネートとジケトン、色素との併用による光増感重合によって常温で硬化させることが可能となることが確認された。しかし、こうして得られたポリマーは従来の歯科用のアクリル樹脂に比べて機械的性質が劣るため、その点を改善すべく2官能性メタクリレートなどとの共重合、および可視光線領域の光源よる光重合についてさらに詳細な検討を続けている。
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