研究課題/領域番号 |
03454456
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
赤川 徹弥 東京大学, 医学部(病)・口腔外科, 教授 (20053811)
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研究分担者 |
坂本 泰宏 東京大学, 医学部(病), 助手
柳谷 謙一 東京大学, 医学部(病), 助手 (90210301)
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キーワード | 温熱療法 / 温熱化学療法 / CDDP / Brdu / 腫瘍組識内濃度 / 腫瘍組識内血流 / 抗腫瘍効果 / 免疫組識学的観察 |
研究概要 |
平成3年度の本研究では温熱化学療法における抗癌剤の腫瘍組識内到達性がどのように変化するのか、またこれらの変化に腫瘍内血流がどのように関与しているのかを検索した。実験腫瘍はマウスMeth‐Aを用い、抗癌剤シスプラチン(CDDP)5mg/kgを局所加熱(43℃、30分)の直前に腹腔内投与して経時的に腫瘍組識内濃度を原子吸光度法にて測定し、CDDP単独群(非加温群)と比較した。その結果、CDDP+加温群でCDDP単独群よりも腫瘍組識内CDDP濃度が長時間、高濃度で維持されることが明らかとなった。腫瘍発育曲線でもCDDP+加温群で腫瘍増殖抑制が最も強く、病理組識学的観察および抗Brduモノクロ-ナル抗体を用いた免疫組識学的検索でもCDDP+加温群に抗腫瘍効果が最も強く認められた。CDDP+加温群における腫瘍細胞の病理組識学的変化は核濃縮、核崩壊、好酸性変性および空胞変性で、腫瘍内血管の変化は出血、拡張および充血であった。CDDP単独群では特に空胞変性が特徴的であった。また、これらの変化はCDDP+加温群では処置直後から認められるのに対してCDDP単独群では処置3〜6時間後より認められることから、加温処置の併用によりCDDPの抗腫瘍効果が早期に生じると考えられた。抗Brduモノクロ-ナル抗体によるS期標識細胞陽性率でみるとCDDP+加温群において処置直後より72時間後も陽性細胞は低下しており、前述のCDDP腫瘍組識内濃度の高濃度維持を裏付ける結果と考えられた。さらに加温処置後の経時的な腫瘍組識内血流をレ-ザ-ドップラ-組識内血流計に2計測したところ少なくとも加温処置24時間後でも血流の低下が認められ、CDDP+加温群における腫瘍組識内の障害による結果と考えられた。これらの検索結果は第8回日本ハイパ-サ-ミア学会(平成3年10月30日東京)において発表した。また、第6回温熱療法国際シンポジウム(平成4年4月26日〜5月1日Tucson Arizona USA)にて発表予定である。
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