研究概要 |
樹立したヒト下顎骨骨肉腫由来細胞株のクローンAについて骨茅細胞としての性質をさらに検索し以下の結果を得た。 1.3.5cmの培養dishに7×10^4個の細胞を播きβグリセロリン酸やアスコルビン酸を添加することなく培養を続けると、培養3週目頃から結節状に厚く盛り上がった部位が多数みられ、培養日数の経過とともに拡大が認められ、結節内にはvon kossa染色で強く染色される顆粒状の石灰化物が多数みられた。 2.PTHを培養上清中に添加すると濃度依存性にALPase活性、cAMPの上昇が認められた。しかし、1α25(OH)_2D_3を添加してもALPase活性の上昇はみられなかった。 3.培養5,7,15,30日目に培地内のオステオカルシン量を測定したが、オステオカルシンの合成は認められなかった。また、PTH、1α25(oH)_2D_3を添加しても合成量に変化はみられなかった。 4.PGE_2を添加すると、PTHの反応とは逆に濃度に依存してALPase活性が抑制された。また細胞内cAMPの合成は認められるもののその量は、PTHに比べ非常に弱かった。 5.培養日数の経過とともに、PTH、PGE_2のALPase活性、cAMP合成に対する作用は減弱した。 さらにTGF-βのALPase活性、Ca合成に対する影響やPGE_2の合成量について検討中である。
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