研究課題/領域番号 |
03454473
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
西連寺 永康 日本大学, 歯学部・放射線学, 教授 (40058839)
|
研究分担者 |
志村 まり 日本大学, 歯学部・放射線学, 助手 (90226267)
馬嶋 秀行 日本大学, 歯学部・放射線学, 講師 (60165701)
若松 佳子 日本大学, 歯学部・薬理学, 助教授 (30059084)
|
キーワード | 温熱療法 / 化学療法 / 温熱耐性 / 併用療法 / がん環境因子 / 低酸素 / 低PH |
研究概要 |
本研究の目的は、がん温熱化学療法の基礎として、がん温熱化学療法の効果を修飾する因子を調べることにある。その影響する因子は、温熱耐性が最も大きな因子として考えられ、この他に低酸素及び低PH等がんの生体内環境因子があげられる。これらの因子のがん温熱化学療法の効果への影響を種々な薬剤にて調べ、治療効果の軽減、他へ連ながる因子を克服し、また治療効果の増強を得るような治療法を得ることに本研究の特色がある。これらの研究の計画初年度として以下のことを明らかにした。 1.CHO細胞を用い、低酸素の温熱療法の効果を調べた結果、低酸素の処置では、その効果に影響を及ぼさないが、長時間では温熱致死効果を増強させる。 2.CHO細胞を用い、低PHの温熱療法の効果を調べた結果、低酸素の効果とは逆に、短時間の処置で致死効果の増強を示したが、3日以上低PH下にて培養することにより、低PH下での温熱療法の致死効果の増強は失なわれた。 3.温熱耐性を発現している細胞系の確立を目指し、40℃ないし42℃で長時間(2週間以上)培養し得られた細胞の温熱感受性は、オリジナルの細胞を比較し、温熱抵抗性を示したが、温熱耐性として誘導される温熱抵抗性と比較して小さい抵抗性を示した。 4.ヒト扁平上皮癌の多種化学療法剤、シスプラチン・ブレオマイシンペプレオマイシン・テラルビシンに対する致死効果を調べ、シスプラチンとペプレオマイシンの併用で大きな増強効果を示すことがわかった。 これらの知見に加え、低酸素下、低PH下によるヒト扁平上皮癌細胞の培養準備を開始し、また、細胞内PH及びカルシウムイオン量測定準備を開始し、これについては、来年度に研究発表を予定している。
|