研究概要 |
研究対象は、10年前の昭和56年にて歳6カ月児歯科健診を受診しその後6カ月ごとの診査によって3歳6カ月まで追跡された小児228名の内、平成3年8月の12歳0カ月時と平成4年8月の13歳0カ月時の2回続けて再び口腔診査を受けた小児40名である。これらの対象について、平成4年度は通法の視診型による口腔内診査とカリオスタットによるう蝕活動性試験を行なった。う蝕羅患については、deft,defs,DMFT,DMFSのそれぞれのindexから、1歳から3歳にかけての2年間の乳歯う蝕増量(incidence)と12歳から13歳にかけての1年間の永久歯う蝕増量(incidence)さらに12歳時、13歳時のう蝕有病状況(prevalence)を算出した。同一人の乳歯列う蝕増量と永久歯列う蝕増量との間の相関関係および同一人の乳歯列う蝕増量と12歳時、13歳時それぞれのう蝕有病状況との間の相関関係について統計学的に検討した。 研究結果: 1)乳歯う歯数の増量と永久歯う歯数の増量との間には、r=0.316で統計学的有意な相関関係が認められた(P<0.05)。 2)乳歯う蝕歯面数の増量と永久歯う蝕歯面数の増量との間には、r=0.395で統計学的有意な相関関係が認められた(P<0.05)。 3)乳歯う蝕増量は12歳時よりも13歳時の永久歯う蝕有病状況との間に高度に有意な相関関係が認められた(P<0.001)。
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