研究概要 |
本研究の初年度の調査に参加した54名の内、32名については平成5年度も継続して、齲蝕を中心とした口腔内診査を実施できた。この診査によって永久歯列完成直後の2年間を追跡調査できた被検者を対象に、14歳時の齲蝕罹患(DMFT,DMFS)及び12歳から14歳までの2年間の齲蝕増量(DMFT増量,DMFS増量)を算出した。これらの値と同一被検者の3歳時の齲蝕罹患(deft,defs)、齲蝕活動性(Cariostat値)及び1歳6ヵ月から3歳6ヵ月までの2年間の齲蝕増量(deft増量,defs増量)との間の相関性について統計学的に検討した。 研究結果: 1. 3歳時のCariostat値と14歳時のDMFT及びDMFS値との間には、それぞれr=0.633、r=0.617で統計学的高度に有意な相関関係が認められた(P<0.001)。 2. 3歳時のdeft及びdefs値と14歳時のDMFT及びDMFS値との間には、それぞれr=0.438、r=0.416で統計学的有意な相関関係が認められた(p<0.05)。 3. 3歳時のdeft及びdefs値と12歳から14歳までのDMFT増量及びDMFS増量との間には有意相関は認められなかった。 4. 1歳6ヵ月から3歳6ヵ月までのdeft増量及びdefs増量と14歳時のDMFT及びDMFS値との間には、それぞれr=0.412、r=0.330で統計学的有意な相関関係が認められた(P<0.05)。 5. 1歳6ヵ月から3歳6ヵ月までのdeft増量と12歳から14歳までのDMFT増量との間には有意相関は認められなかったが、defs増量とDMFS増量との間には有意相関が認められた(r=0.356,P<0.05)。
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