研究課題/領域番号 |
03454478
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
黒田 敬之 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10013939)
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研究分担者 |
加藤 嘉之 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30224554)
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90187732)
須佐美 隆史 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80179184)
宮坂 貴仁 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80181999)
本橋 信義 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (10134735)
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キーワード | 先天異常 / 顎変形症 / 顎矯正 / 筋機能 / 顎運動 / 顎関筋 / 顎関節症 / レーザー |
研究概要 |
平成4年度は、前年度の成果を基に、基礎研究においてモデル実験系を開発、筋機能異常に伴う顎顔面骨格の変化を検討し、臨床研究において先天異常患者および顎変形症患者の筋機能、顎運動の特殊性について検討を加えた。 基礎研究では、咬筋神経切断および咬筋筋束マヒによる筋機能異常状態が顎顔面形成に与える影響を検討するためのラット実験系を作成した。その結果、両条件とも顔面骨格の非対称を引き起こし、これら実験系の有用性が明らかとなった。現在、ラット用の頭部X線規格写真、組織学的手法を用い、変形様相の詳細な検討を進めている。 臨床研究では、先天異常患者として口唇口蓋裂、hemifacial microsomia、顎変形症患者として骨格性下顎前突、下顎頭変性による骨格性上顎前突の患者を中心に、その形態および筋機能、顎運動について検討した。その結果、しばしばみられる過蓋咬合を示す口唇口蓋裂患者では、形態のみならず下顎の回転など顎運動にも特徴のみられることが明らかとなった。また、hemifacial microsomiaでは患側の下顎頭が大きな運動性を持つこと、患側咬筋の活動が弱いことなどが明らかとなった。 顎変形症患者については、外科的矯正治療を行うと単に形態のみではなく、筋機能にも改善が得られること、それには術後長期間を要することなどが明らかとなった。また、骨格性下顎前突患者では浅い関筋窩形態を示し、顎運動のばらつきも大きいことも明らかとなった。下顎頭変性に伴う、骨格性上顎前突の患者では、矯正治療後、良好な咀嚼機能を示すにもかかわらず、中心位と中心咬合位の間で大きなずれがみられた。 さらに、顎関節症患者に対する低出力半導体レーザーの効果を検討したところ、疼痛緩和、開口障害軽減に効果のあることが示された。
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