研究課題/領域番号 |
03454492
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 公道 京都大学, 薬学部, 教授 (80025709)
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研究分担者 |
金子 周司 京都大学, 薬学部, 助教授 (60177516)
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キーワード | ムスカリンレセプター / セロトニンレセプター / GTP結合タンパク / ホスホリパーゼC / アフリカツメガエル卵母細胞 / 細胞内情報伝達 / アンチセンスDNA / オピオイドレセプター |
研究概要 |
前年度に引続き、ラット脳mRNAを注入したアフリカツメガエル卵母細胞に発現するレセプターやイオンチャンネルが共役するGTP結合蛋白(G蛋白)のサブタイプを調べるため、G蛋白αサブユニットmRNA(ラットG_<i1>αおよびラットG_oα)に相補的なアンチセンスDNAを設計・合成し、ラット脳mRNAとともに卵母細胞に注入して細胞応答への影響を評価した。その結果、G_<i1>αアンチセンスおよびG_oαアンチセンスどちらでも、μオピオイド応答、サブスタンスP応答、キスカル酸応答は有意に抑制された。ムスカリン性アセチルコリン応答はG_<i1>αアンチセンスによって比較的選択的に抑制され、一方、セロトニン応答はG_oαアンチセンスによってのみ抑制を受けた。イオンチャンネル型レセプターであるカイニン酸応答、GABA応答、電位依存性カルシウムチャンネル応答はこれらのG蛋白アンチセンスDNAによって影響を受けなかったが、その用量が細胞あたり6ng以上になるとすべての応答が非特異的に抑制を受けることが明らかになった。細胞膜に発現するG蛋白量や加水分解低抗性GTPアナログの細胞内注入が惹起する振動性電流応答は、3ngのG蛋白アンチセンスDNAによってすでに有意に減少していることから、アンチセンスDNAを用いるhybrid arrest実験においては用いるアンチセンスDNAの量が重要であり、過剰量のアンチセンスDNAは翻訳活性全体に影響することが明らかになった。
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