研究課題/領域番号 |
03454497
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡井 崇 東京大学, 医学部(病), 助教授 (40126016)
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研究分担者 |
上妻 志郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (30143457)
馬場 一憲 東京大学, 医学部(病), 講師 (30181035)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 超音波 / 3次元 / コンピュータ / 胎児 / カラードプラ / 胎盤血流 / 乳腺腫瘍 / 画像処理 |
研究概要 |
我々は子宮内胎児の状態をより正しく把握するために、無侵襲的検査法である超音波断層法を基にした3次元表示の研究を行っている。本研究では、プローブからコンピュータまでオンラインで結んだ実用化を目指したシステムを構築し、胎児診断における超音波3次元像の有用性について検討した。さらに、カラードプラ装置との組合せによる胎盤血流の3次元表示、リアルタイムイメージプロセッサを用いての乳腺腫瘍の超音波像3次元表示にも成功した。1.胎児の超音波3次元像:超音波断層像では想像すら困難な胎児の顔の様子など、表面表示の有用性が確認された。また、指など3次元的に複雑で細かい部分の形態診断にも有用であることが確認された。2.胎盤血流の3次元像:カラードプラ診断装置との組み合わせにより、血流のある血管だけを抽出して、胎盤の血流分布を3次元的に表示することが可能になった。この事は、臨床上顧みられることがなかった断層像での胎盤血流情報が、胎盤の機能診断など、臨床的に意味のある検査法として活用される道を開くものである。3.乳腺腫瘍の超音波3次元像:乳腺腫瘍を対象に、リアルタイムイメージシグナルプロセッサを用いた前処理を試みた。乳腺腫瘍は乳腺組織に囲まれており、超音波像上、周りの組織から分離するのは容易ではないが、リアルタイムイメージシグナルプロセッサを用いた前処理により、羊水に囲まれた胎児の場合と同じように分離することが可能となった。乳腺腫瘍の超音波診断では、断層像だけでも良性悪性の診断はある程度可能であるが、3次元像は良性悪性の診断に一層重要な情報を含んでいる。また、3次元像では、腫瘍の広がりが客観的に評価される。今後の課題として、装置の小型化と処理の高速化があるが、急速な半導体および関連分野の発達により、近い将来、解決される問題であると期待される。
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