研究課題/領域番号 |
03454501
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中込 弥男 東京大学, 医学部(医), 教授 (30000235)
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研究分担者 |
中堀 豊 東京大学, 医学部(医), 助教授 (10172389)
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キーワード | エナメル質欠損症 / アメロゲニン / 歯 / エナメル質 / 伴性遺伝 / XY相同部 / PCR / DNA診断 |
研究概要 |
昨年までにアメロゲニン遺伝子のクローン化、欠失家系の検出に成功しているので、本年は本遺伝子のエクソン3個を挟むPCR用のプライマを設計、PCR直接シークエンス法によりエクソン3個の塩基置換等を検出可能な態勢を作ることに成功した。この目的にはDNA2本鎖のうち1鎖のみを特異的に増幅する必要があるが、マグネチックビーズ法が有効と判明した。患者ついては現在まで塩基置換を検出した例はなく、男児例であっても必ずしも伴性劣性型ではなかった可能性も考えられた。 なお本遺伝子は、ヒトでは乳歯と永久歯の萌出時期に集中的に発現するものと考えられ、発現調節機構は興味深い。そこで本遺伝子周辺を広範囲にわたり解析することを目的に、本遺伝子の塩基配列に基づきSTSを設定、YACライブラリのスクリーニング、整列化を行い、X上のもの1、Y上のもの4個を拾い出した。YACをプローブにFISH解析を行い、キメラでないことを確認したXとY由来のYAC各1を用いNot I等による制限酵素地図を作製、各2個所にCpGアイランドを検出した。それらよりコスミドライブラリを作製、現在Not Iサイトを含むコスミドを拾い出し、進化レベルの保存性を検定している段階である。 なお本遺伝子はXY相同性を示すがY上のものに限りイントロン内に189塩基対の欠失を持つ。これを挟んでPCR用のプライマを設定することにより、1対のプライマでXとYのシグナルを同時に検出できるため、性の判定の信頼度を飛躍的に高めることができることを我々は既に報告した。 同法は有用ではあるがXのシグナルが977bp、Yのシグナルが788bpと増幅されるDNA断片が大きいため、壊れて短くなったDNAへの応用が困難であった。そこでより短い範囲を検出する変法の開発を試み成功した。
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