研究概要 |
エンドセリン(ET)レセプターに特異的なアンタゴニストとアゴニストが開発されこれら薬物を用いてETレセプターサブタイプの機能を生体および細胞レベルで解析した。ET_Aレセプターアンタゴニスト(BQ123)を大動脈結紮后の左室肥大ラットに持続投与すると1週間后の左室肥大は有意に縮少した。このような褪縮効果はin vitroの培養心筋細胞を用いてもET-1の心肥大作用をBQ123は特異的に阻止して確認された。以上の事実からET-1は心肥大因子の一つとして作用し,ET_Aレセプターアンタゴニストがその抑制作用を持つことが明らかとなった。一方血管平滑筋細胞でのET_AレセプターアンタゴニストはET-1の細胞増殖作用を抑制するが完全ではなく,ET_<A/B>レセプターアンタゴニストによって完全に抑制された。この事実は血管平滑筋細胞にはET_AのみならずET_Bレセプターが存在し,ET_<A/B>レセプターいづれも血管肥厚に関与する可能性が示唆された。
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