研究課題/領域番号 |
03454518
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
板倉 光夫 徳島大学, 医学部, 客員教授 (60134227)
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研究分担者 |
岩花 弘之 徳島大学, 医学部, 客員教員助手担当
吉本 勝彦 徳島大学, 医学部, 客員助教授 (90201863)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 遺伝子治療 / B細胞 / 糖尿病 / 線維芽細胞 / プロインスリン / 血糖値感知機構 / インスリン遺伝子 |
研究概要 |
インスリンは血糖値の上昇に応じ膵蔵のランゲルハンス島のB細胞(B細胞)から合成分泌される。我々は、L-培養線維芽細包株に、ヒトプロインスリンを発現分泌させ、リンパ球の表面抗原の遺伝子を予め導入し発現させておくことにより、必要時に移植細胞を除去する安全装置を作製した。さらに、HSV-TK遺伝子を重複導入し、ガクシクロビールに感受性を示す細胞をクローン化した。この細胞を糖尿病を誘発したヌードマウスの皮下に移植することにより、血糖値は治療前値の約500mg/dlから約1カ月後に約200mg/dlとなった。この時点でガンシクロビールを投与することにより血糖値は部分的に上昇した。しかし、血糖値の上昇は不安定で、腫瘍化した細胞の除去は不完全であった。B細胞由来のMIN6培養細胞株を糖尿病を誘発したC57BL/6マウスに移植したところ、移植直後から血糖値は正常化したが、空腹時血糖値は徐々に低下し、低血糖の恐れが生じたため、ストレプトゾシン投与により移植細胞の除去を検討中である。糖負荷試験の結果、インスリンは移植後初期にはグルコース依存性を示したが後期には依存性が低下した。MIN-6細胞を異なるブドウ糖濃度で培養し、それぞれの条件下でのインスリンのmRNA量をノザン分析したところ、mRNAの量には大きな差は認められなかった。また、ブドウ糖濃度の高い培養条件下のMIN6細胞のmRNAからブドウ糖濃度の低い条件下におけるmRNAを引き算することにより、それぞれの代謝状態に特異的なmRNAを分離する方法を開発中である。以上、糖尿病マウスの遺伝子治療モデルの安全装置として、HSVTKを用いる可能性を検討した。B細胞由来の培養細胞を用いることにより血糖値依存性のインスリン分泌を確保できる可能性を認めた。HSV-TKを入れた線維芽細胞ではガンシクロビールを用いて。B細胞由来の細胞にはストレプトゾトシンを用いて移植細胞数を調節する方法と分子機序を今後詳細に検討する必要がある。
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