研究課題/領域番号 |
03454521
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 久丸 東京大学, 医学部(病), 講師 (90181130)
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研究分担者 |
千葉 滋 東京大学, 医学部(病), 助手
豊島 秀男 東京大学, 医学部(病), 助手 (20197966)
間野 博行 東京大学, 医学部(病), 助手 (90240704)
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キーワード | レセプター型チロシンキナーゼ / ltk遺伝子 / シグナル伝達物質 / リン酸化 |
研究概要 |
ヒトltk遺伝子はK562細胞株のcDNAライブラリーからc-fmsをプローブとして得られたチロシンキナーゼ遺伝子である。一部の白血病細胞においては発現を認めるが、固形癌細胞には発現を認めず、造血細胞に特異的に発現する遺伝子である。既存のcDNAは完全長ではないことが予想されたため、ヒト胎盤cDNAライブラリーを作成し、新たにcDNAクローンを取得してその遺伝子構造を解析した。その結果、ヒトltk遺伝子産物はリガンドを認識しうる大きさの細胞外ドメインを持つレセプター型チロシンキナーゼであることが明らかになった。さらに、スプライシグの違いにより、細胞外ドメインだけからなる可溶型蛋白、およびキナーゼドメインを欠く受容体蛋白をコードするmRNAの存在が明らかになった。完全長のレセブター型ltk遺伝子を発現ベクターにそう入し、COS-1細胞に導入して、抗ltkモノクローナル抗体および抗リン酸化チロシン抗体を用いて解析した結果、ltk蛋白質は100kDaのリン酸化蛋白質として検出された。ltk蛋白質を発現させたCOS-1細胞を可溶化し、抗ltkモノクローナル抗体で免疫沈降して、キナーゼ反応を行った結果、100KDaのltk自己リン酸化蛋白質と複数の共沈リン酸化蛋白質が検出された。これらの共沈リン酸化蛋白質を同定する目的で、各種のシグナル伝達物質に対する抗体を用いて解析を行った結果、これらの共沈蛋白質のうちには、PLC-r1、GAP、PI3キナーゼ、C-raf蛋白質などが含まれることが明らかになった。したがって、ltkレセプター蛋白質はリガンド刺激によって、これらのシグナル伝達物質と連関してシグナルを伝えることが予想された。
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