研究課題/領域番号 |
03454523
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
斎藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
|
研究分担者 |
谷本 光音 名古屋大学, 医学部, 助手
高松 純樹 名古屋大学, 医学部, 助手 (80221365)
|
キーワード | 第IX因子 / 血友病B / レトロウイルスベクタ- |
研究概要 |
第IX因子cDNAを親レトロウイルスベクタ-pLXRNLのLTRの下流のPst I siteに挿入し、LTRをプロモ-タ-としてこれを発現するベクタ-を作成した。こうした得られたヒト第IX因子産生レトロウイルスベクタ-(pL9RNL)をパッケ-ジング細胞であるGP+Eー86にtransfectした。10μgのベクタ-を通常のリン酸カルシウム法にてtrnsfect後、4μg/mlのPolybrene存在下でウイルスの感染を行ない、G418による約2週間のselection後、発育してきたコロニ-をharvestし上清中の第IX因子量を高感度蛍光ELISA法にて測定した。樹立された初代Producer細胞から産生される組み換えウイルスを他の細胞に感染させることにより、上清中のウイルス粒子のtiterを測定したところ、およそ10^<3ー4>/mlであった。またこれらの細胞株は24時間の間に1x10^6個あたり、各々数100ngから数μgの第IX因子を産生することがわかった。凝固1段法による検討ではいずれの細胞の上清も90%以上の第IX因子比活性が得られ、細胞内における蛋白の翻訳後修飾は正常に行なわれていることが示唆された。培養上清を塩化バリウム吸着にて濃縮し、western blottingを行なったところ、ヒト血漿由来の第IX因子と同じ分子量約54000のバンドが検出された。各細胞株より抽出されたDNAを、Southern blottingにて検討したところいずれの細胞においてもヘルパ-フリ-のウイルスの取り込みは正しく行なわれていることがわかった。 以上の研究により、我々が今回作成したレトロウイルスベクタ-pL9RNLが血友病Bの遺伝子治療の手段となりうる条件を満たすための基礎的なデ-タが得られた。
|