• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

自然発症てんかんラットにおける分子遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454529
研究機関京都大学

研究代表者

芹川 忠夫  京都大学, 医学部, 教授 (30025655)

キーワード自然発症てんかんラット / SER / てんかん / 疾患モデル / ラット / 遺伝子マッピング / プリオン / シナプトブレビン
研究概要

自然発症てんかんラットにおけるてんかん発作の発生機序を遺伝子から解明する目的で、tm遺伝子およびzi遺伝子のクローニングに向けた研究を行なった。
tm遺伝子の連鎖解析は、TRMヘテロラット(tm/^+)を用いた2種類の戻し交雑仔によった。tm遺伝子はラット第10染色体上のSyb2遺伝子とは175匹中全ての個体で組み換えがなかった。次いで、クローニングしたラットSyb2遺伝子をプローブに用いて蛍光インサイツハイブリダイゼーションを行なって、Syb2遺伝子とtm遺伝子を第10染色体q24領域にあてはた。シナプス小胞上の膜タンパクSYB2をコードしているSyb2遺伝子がtm遺伝子そのものではないかと疑われたが、TRMラットのSyb2遺伝子の塩基配列に変異は検出されなかった。また、TRMラットの全脳には、Syb2遺伝子はサイズ・量ともに正常に発現していた。
zi遺伝子の連鎖解析は、ZIラットを用いた2種類の戻し交配実験によった。zi遺伝子はラット第3染色体上のPrnp遺伝子とは136匹中135匹の個体で組み換えがなかった。クローニングしたラットPrnp遺伝子をプローブに用いた蛍光インサイツハイブリダイゼーションの結果から、Prnp遺伝子とzi遺伝子を第3染色体q35領域にマップした。海綿状脳症に関与していると報告されているPRNPタンパクをコードしているPrnp遺伝子がzi遺伝子そのものではないかと疑われたが、ZIラットのPrnp遺伝子の蛋白コーディング領域の塩基配列に変異は検出されなかった。また、ZIラットの全脳には、Prnp遺伝子はサイズ・量ともに正常に発現していた。
以上のように、連鎖解析の過程でSyb2遺伝子およびPrnp遺伝子という「候補遺伝子」が見い出されたが、これらは原因遺伝子そのものではないと考えられた。しかし、得られた近接DNAマーカーは、tmとzi両遺伝子をクローニングするための起点として大きな価値がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Takashi KURAMOTO: "Regional mapping of the Rowett nude(RNU)gene to rat chromosome 10q24-q32 by localizing linked SYB2 and GH loci." Cytogenetics and Cell Genetics. 63. 107-110 (1993)

  • [文献書誌] Mitsuyoshi HARA: "Decreased dopamine and increased noradrenaline levels in the spontaneously epileptic rat,a double mutant rat." Epilepsia. 34. 433-440 (1993)

  • [文献書誌] Hideo SAJI: "Local cerebral glucose utilization in the interictal state of the spontaneously epileptic rat(SER)." Brain Research. 601. 76-79 (1993)

  • [文献書誌] Kazuko KISHI: "GABA-gated chloride ion influx in brains of tremor rats." Neurochemical Research. 18. 977-982 (1993)

  • [文献書誌] Takashi KURAMOTO: "A strategy for rapid construction of genetic and physicalmaps in the rat." Acta Histochemica et Cytochemica. 26. 325-332 (1993)

  • [文献書誌] K.Ishihara: "Abnormal excitability of hippocampal CA3 pyramidal neurons of spontaneously epileptic rats(SER),a double mutant." Experimental Neurology. 119. 287-290 (1993)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi