研究概要 |
2.5および5.0%MVCの負荷をかけて、0,15,35,70および105(°/s)の角速度での膝関節の伸展・屈曲運動を行い、等尺性収縮、短縮性収縮および伸張性収縮における外側広筋の運動単位の活動参加閾値張力および放電頻度について検討を行った。動的筋活動によって運動単位の閾値張力は減少傾向を示した。短縮性収縮速度の増加によって放電頻度は増大した。短縮性収縮時の運動単位の活動参加順序は、負荷重量および収縮速度の増加によって等尺性収縮時のものから大幅に変化した。収縮速度の増加に伴って活動参加順序が遅れると共に、放電頻度が減少する一般的なものとは逆の振る舞いを示す運動単位が見出された。また、特定の角速度の伸張性収縮時において、運動単位の選択的な活動参加が観察されている。 5.0および10.0%MVCの負荷に対して、0,6,30,60,120および180°/sの角速度における足関節伸展・屈曲運動を行い、外側腓腹筋、内側腓腹筋およびヒラメ筋の表面筋電図のパターンを観察すると、両腓腹筋は足関節角度の大きいところで振幅が増大し、ヒラメ筋は小さいところで増大する傾向がみられた。ヒラメ筋では角速度の増大に伴って振幅が減少し、最大振幅が得られる足関節角度が増大する傾向が認められた。外側腓腹筋の運動単位において、角速度の増大に伴って活動参加順序が大きく変化し、速度依存性の運動単位の選択的活動参加が示唆された。角速度の増大に伴って放電頻度は増大傾向にあった。各運動単位の活動参加時点の足関節角度が角速度の増大に伴って減少傾向を示すものと、変化を示さないものとが観察され、運動単位の活動参加に筋短縮速度依存性の運動単位と、関節角度依存性の運動単位の存在する可能性を示唆する成績が得られた。
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