研究課題/領域番号 |
03454553
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山泉 克 熊本大学, 医学部, 教授 (70107093)
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研究分担者 |
立石 智 熊本大学, 医学部, 助手 (00227109)
菅野 辰生 熊本大学, 医学部, 助手 (00211300)
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キーワード | 色素性乾皮症 / DNA修復 / XP相補性因子 / B群XP |
研究概要 |
(1)HeLa細胞の核抽出液中には、B群XP細胞における不定期DNA合成能の欠損を回復させる活性が検出される。この活性はB群XP細胞中では安定で、その半減期は約18時間であった。ゲル濾過で核抽出液を分画するとこの活性は分子量約60万相当の所にC群XP因子の活性と共に検出された。B群XP患者はこれまで世界で1例しか報告されておらず、この患者はXPの外コケイン症候群(CS)を併発している。CSにおける細胞レベルでの特長は紫外線照射後のRNA合成能の回復が欠除していることである。この欠損を回復させる活性が上記のゲル濾過分画のいずれにあるのかを調べてみると両活性の分布は完全に一致していた。このことはこの患者はXP遺伝子とCS遺伝子の2重変異によるものではなく、単一遺伝子内での変異によることを強く示唆する。(2)Weeda等により単離されたXPーB遺伝子より推定されるアミノ酸配列のC端に残基に相当するペプチドを合成し、これをBSAもしくはヘモシアニンと化学結合したもので家免を免疫した。得られた抗血清をペプチドカラムでアフィニティ-精製した。このものの抗体価を見るためi)He La細胞核抽出液中のXPーB相補活性がこの抗体で吸収できるが、ii)この抗体を用いて正常細胞及びXPーB細胞を染色した場合正常細胞のみが染色されるか、iii)キヤリアタン白をちがえた抗原との間でゲル内沈降を行った場合沈降線ができるのかどうかを調べてみたが今の所いずれの場合も陽性反応は得られていない。(3)現在抗体価を測定するためiii)で用いた抗原を利用してウェスタンブロットを行っている。今後の実験において自然状態のXPーB因子と反応する抗体が是非必要となるのでこれとは別にXPーB因子の融合タン白を組換えDNAの技術を用いて作製し、大腸菌内で大量合成し、これを用いて抗体を作る順備を行っている。またB群XP因子との相互作用が予想されるC群XP因子の精製を並行して行っている。
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