• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

古細菌の進化的位置と真核生物の起源

研究課題

研究課題/領域番号 03454562
研究機関統計数理研究所

研究代表者

長谷川 政美  統計数理研究所, 予測制御研究系, 教授 (60011657)

研究分担者 橋本 哲男  統計数理研究所, 統計教育情報センター, 助手 (50208451)
宮田 隆  京都大学, 理学部, 教授 (20022692)
キーワード古細菌 / 真性細菌 / 真核生物 / ギアルディア / 分子系統樹 / ミトコンドリア / 延長因子
研究概要

前年度までの研究で,メタン細菌,ハロバクテリウム,エオサイトなどの古細菌が,真性細菌によりは真核生物に近縁であることが確められたが,これら3つの古細菌の系統と真核生物との関係は不明であった。今年度は,伸長因子のアミノ酸配列データを解析した結果,これら3つの古細菌のグループが単系統であるという可能性のほかに,エオサイトが特に真核生物に近いという可能性も浮上した。
ミトコンドリアなどのオルガネラをもたない真核生物の系統学的な位置づけは,真核生物の初期進化を明らかにする上で重要な問題である。従来この問題は,リボソームRNAの配列データにもとづいて研究されてきたが,われわれはリボソームRNA分子系統樹の問題点を指摘した。リボソームRNAの最大の問題は,近縁な生物の間でも塩基組成が大きく異なることがあり,このことが間違った系統樹を与えることがあるということである。われわれは,延長因子やRNA合成酵素など保存的なたんぱく質のアミノ酸配列を調べた結果,塩基組成が大きく違っている場合でも,たんぱく質のアミノ酸組成はその影響を受けず,そのようなデータからえられる系統樹の信頼性が高いことを示した。
ミトコンドリアをもたない真核生物の一種であるギアルディアの延長因子遺伝子の塩基配列を決定し,この原生生物が真核生物の祖先型生物に近い可能性のあることを示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Hashimoto J.Adachi M.Hasegawa: "Phylogenetic place of Giardia lamblia,a protogoan that lacks mitochondria" Endocytobiosis and Cell Research. 9. 59-69 (1992)

  • [文献書誌] M.Hasegawa T.Hashimoto: "Ribosomal RNA trees misleading?" Nature. 361. 23-23 (1993)

  • [文献書誌] J.Adachi Y.Cao M.Hasegawa: "Tempo and mode of mitochondrial DNA evolution in vertebrates at the amino acid sequence level" Journal of Molecular Evolution. 36. 270-281 (1993)

  • [文献書誌] M.Hasegawa,T.Hashimoto J.Adachi,N.Iwabe,T.Miyata: "Early divergences in the evolution of eukaryotes:ancient divergence,of Entamoeba that lacks mitochondria revealed by protein sequence data" Journal of Molecular Evolution. 36. (1993)

  • [文献書誌] M.Hasegawa M.Fujiwara: "Relative efficiencies of the maximum likelihood,maximum parsimony,and neighbor joining methods for estimating protein phylogeny" Molecular Phylogenetics and Evolution. (1993)

  • [文献書誌] M.Hasegawa H.Kishino: "Simple methods for estimating bootstrap probability of a maximum likelihood tree" Molecular Biology and Evolution. (1993)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi