研究課題/領域番号 |
03454569
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
副島 林造 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10068976)
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研究分担者 |
守屋 修 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30174460)
二木 芳人 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50156030)
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キーワード | 深在性真菌症 / 肺アスペルギルス症 / 再燃型アスペルギルス症 / 動物モデル / 血中アスペルギルス抗原 / 尿中アスペルギルス抗原 / 抗真菌療法 |
研究概要 |
本年度は本課題の最終年度であり、まとめとして以下の成果を上げる事が出来た。 1)再燃型ラット肺アスペルギルス症モデルの完成と応用 従来のステロイドによる再燃型モデルに代えてサイクロフォスファマイド(以下CPM)による再燃誘発モデルを完成した。より実際の臨床に近い病態が得られ、さらに従来型のモデルに比して感染経過が個体間で均一で、時間的短縮も可能であった。このモデルでの組織学的検討では、好中球の減少に伴う病変の再燃から末期病態までが確実に追え、また、組織変化と肺内真菌数の相関も明瞭で、以下の血清診断法の検討に極めて有用であった。 2)血清学的診断の評価と臨床応用 上記のモデルを用いて、市販のアスペルギルス抗原検出キットの評価を行い、その適正応用の在り方を明らかにした。すなわち、頻回採血の必要性と尿中抗原検出の有用性である。 これらを直ちに臨床例に応用し、現在までに早期診断による治療例も含めて、従来末期感染症として認識されていた肺アスペルギルス感染に対し、極めてその対応に有益な結果も得られつつある。 3)治療実験 従来の急性モデルを中心に、さらに新しい治療法の模索を続けた。逆に臨床例での経験から、U1 inastatineの抗アスペルギルス作用に注目し治療実験を行い、抗真菌薬と本剤との併用効果を確認した。今後の課題として有望なものと考えている。
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