研究課題/領域番号 |
03455005
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
クラインシュミット ハラルド 筑波大学, 歴史人類学系, 助教授 (60225240)
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研究分担者 |
波多野 澄雄 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (00208521)
竹沢 泰子 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 講師 (70227015)
岡本 美穂 (大島 美穂) 筑波大学, 社会科学系, 講師 (20203771)
岩崎 美紀子 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (30183015)
秋野 豊 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (70142677)
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キーワード | 地域統合 / 連邦主義 / 連合 / 機構化 / EC(欧州共同体) / 北欧会議 / NAFTA(北米自由貿易構想) / 民族問題 |
研究概要 |
本研究グル-プは、地域統合の問題を理論的側面と現実的側面の二つのレベルから取り組んできた。平成三年度は、理論においては「地域」などの基本概念の定義について地域統合の文脈から検討した。現実面においては、各地域の地域統合について事例研究を行い、旧ソ連(秋野)、北米(岩崎)、ECと北欧(大島)、東アフリカのコミュニティ(クラインシュミット)、チェコスロヴァキアと中東欧(早坂)について研究報告が行われた。さらに異なった観点から、アメリカにおけるエスニシティ-(竹沢)、歴史的観点からは、中世ヨ-ロッパの地域統合(クラインシュミット)についての研究報告があった。 本研究グル-プの研究成果は、現在の過渡的段階では、以下の三つを指摘し得る。まだ第一に、現在進行中の地域統合は、かつての統合がエリ-トによって行われてきたのに比べて、より民主的正当性を持ち、広範な住民の支持を必要とする政治過程である。第二に、現代の政治統合には、制度面の統合が地域統合の前提となるという従来の理論では説明のつかない現象が見られる。第三に、現在の急速に変化している国際関係のもとでは様々な形態の地域協力が見られる。また、地域に対するアイデンティティはグロ-バルな関心と共存しており、そうした意味で、地域統合は現在の世界的規模での国際政治経済秩序の変動の中でより重要なファクタ-となり得る。
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