研究分担者 |
重田 眞義 京都大学, アフリカ地域研究センター, 助手 (80215962)
太田 至 京都大学, アフリカ地域研究センター, 助教授 (60191938)
市川 光雄 京都大学, アフリカ地域研究センター, 助教授 (50115789)
米山 俊直 京都大学, 総合人間学部, 教授 (70026813)
掛谷 誠 京都大学, アフリカ地域研究センター, 教授 (30020142)
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研究概要 |
熱帯アフリカにおける伝統的植物利用に関して、主として我国の研究者が収集した資料を整理し、合計10,000件以上のデータを入力した。またこのほかに、文献資料などから1,500件以上のデータを整理・入力した。さらに、熱帯アフリカ関係の植物誌に関する19巻の書物にあらわれる約20,000種の植物の科名、属名、種名、オーサー名等をデータベース化し、学名の検索やそれらの文献における出現箇所の確認、スペルチェックなどを検討する体制をととのえた。 こうした植物利用のデータベース化の作業と併行して、アフリカ熱帯雨林地域における有用植物のリストを「Aflora:Catalog of Usefulplants of Tropical Africa-Part 1,Forest Areas」として出版した。また、このデータベースを運用して、ザイール共和国東部のイトゥリ地方における狩猟採集民の4集団を対象として、植物の認知と利用に関する比較研究をおこなった。この研究からは、自然環境及び文化的背景の相違がどのような影響を植物利用に及ぼしているかが明らかにされた。この研究の成果は「Ethnobotany in the Ituri Forest,NortheastemZaile」として近日中に出版する予定である。 さらにこうした研究にもとづいて、アフリカの人びとによる多種多様な植物の利用法や詳細な知識の体系が明らかにされたほか、彼らが森林の生態系に破壊的な影響を与えることなく、これを利用してきたことが示された。このような森林と共存してきた森の民の伝統的知識を森林の保護やその持続的利用にも活用する必要があること、またそれを通してこの地域の住民の伝統文化の保全をはかることも可能なことを指摘した。
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