研究課題/領域番号 |
03455016
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
高折 修二 島根医科大学, 医学部, 副学長 (10025538)
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研究分担者 |
篠塚 和正 島根医科大学, 医学部, 助手 (50117777)
小林 裕太 島根医科大学, 医学部, 助手 (40162028)
服部 圭佑 医根医科大学, 医学部, 教授 (80112134)
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キーワード | 老化モデルラット / 自然発症てんかんラット / TRH類似化合物 / CNK-602A / 尾状核 / 海馬CA3錐体ニューロン / 脳血管 / L-アルギニン |
研究概要 |
本年度はまず、自然発症てんかんラット(SER)の欠神様及び強直性けいれん発作に対する、新規甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)類似化合物であるCNK-602Aの効果を検討した。CNK-602Aはこれらのけいれん発作を共に用量依存的に抑制し、この抑制作用はハロペリドールによって拮抗された。脳の微小透析法において、本薬物は尾状核におけるドパミンの遊離を増加した。これらの結果は、CNK-602Aは恐らくTRHと同様に脳内のドパミン遊離を増加することによってSERのてんかん発作を抑制することを示し、その効果はTRHよりも強力であり、また長時間持続した。次いでSERにおいて、海馬のCA3錐体ニューロンの特徴を研究した。苔状線維に単一刺激を与えた場合、てんかん発作を示す12週齢以上の成熟SERのニューロンでは頻回発火と脱分極シフトを示した。しかし、けいれん発作を示さない7-8週齢の幼弱SER並びにSERと同腹のけいれんを示さない成熟ラットでは、苔状線維の単一刺激によって一個の発火が見られるにすぎなかった。細胞内記録において、静止電位はいずれのラット間にも差はなかったが、半数の成熟SERのCA3ニューロンでは、苔状線維の単一刺激により頻回発火を伴う100〜200ミリ秒持続する脱分極が見られた。また、成熟SERのCA3ニューロンの入力インピーダンスは他のラットより低かった。これらの成績は、SERの海馬CA3錐体ニューロンはてんかん発作の発達に伴って異常な興奮性を示すようになることを示している。さらに、太い脳動脈の内皮由来弛緩に対するニトロ-L-アルギニンの効果から、この内皮由来弛緩因子の大部分はNOであること、並びにL-アルギニンは太い脳動脈におけるNO生成のための生理学的前駆物質であろうとの考えを示した。
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