研究課題/領域番号 |
03455016
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
高折 修二 島根医科大学, 医学部, 副学長 (10025538)
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研究分担者 |
篠塚 和正 島根医科大学, 医学部, 助手 (50117777)
小林 裕太 島根医科大学, 医学部, 助手 (40162028)
服部 圭佑 島根医科大学, 医学部, 教授 (80112134)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 老化モデルラット / 自然発症てんかんラット / オートラジオグラフ / ムスカリン性コリン作動受容体 / TRH類似化合物 / 海馬 / 脳動脈 / L-アルギニン |
研究概要 |
自然発症てんかんラット(SER)は、Tremorラットのへテロ接合体とZitterラットのホモ接合体を交配して得られる、遺伝学的に同定された二重突然変異体(zi/zi,tm/tm)であり、外的刺激なしに、あるいは軽くたたいたり弱い音刺激を与えることによって、欠神様及び強直性けいれん発作を起こした。定量的オートラジオグラフ法を用いてのコンピューター解析において、SERの線条体のムスカリン性コリン作動性(mACh)受容体に対する[ ^3H]QNBの特異的結合量は、対照ラットのそれより多かった。しかし、GABAA作動性及びフェンシクリジン作動性受容体に対する特異的結合は対照ラットと変わら なかった。これらの成績は、SERのけいれん発作の発現には線条体における受容体の機能亢進が関与していることを示唆した。次いで、てんかん発作を示す成熟SERの海馬CA3錐体ニューロンにおいて、苔状線維の単一刺激は頻回発火と脱分極シフトを示した。しかしながら、てんかん発作を示さない幼弱SER及び同腹の対照動物では、苔状線維の単一刺激によって一個の発火を示すにすぎなかった。これらの結果は、SERのCA3錐体ニューロンがてんかん発作の発達に伴って異常な興奮性をきたすようになることを示した。SERにおいて、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)類似新規化合物であるCNK-602Aは欠神様及び強直性けいれ発作を共に用量依存的に抑制し、この抑制作用はハロペリドールによって拮抗された。また、CNK-602Aは脳においてドパミン遊離を増加した。この薬物の抗てんかん作用はTRHよりも強力であり、かつ長時間持続した。さらに、L-アルギニンが太い脳動脈におけるNO生成のための生理学的前駆物質であるとの考えを示した。
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