研究分担者 |
宮島 郁夫 九州大学, 農学部, 助手 (20182024)
浦川 成美 九州大学, 医学部, 助手
今村 徹 九州大学, 医学部, 助手 (00193681)
工藤 恵子 九州大学, 医学部, 助手 (10186405)
木村 恒二郎 九州大学, 医学部, 講師 (30153191)
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研究概要 |
植物斑痕からのフラボノイド類検出のための諸条件を検討した。山野に生育する一般的植物10数種の色素をそれぞれ付着させたものを斑痕試料とした。斑痕試料を塩酸で加水分解後,酢酸エチルで抽出し、フィルタ-を通して得られた精製液を分析試料に供した。水,酢酸,メタノ-ルを47:10:43に混合した溶解液を用いて逆層カラムを装着した高速液体クロマトグラフィ-により紫外部分析を行った。 分析の結果、斑痕試料からミリセチン、ケルセチン、ルテオリン、ケンフェロ-ルおよびアピゲニンを含む10数種のフラボノイドが検出された。クロマトグラム上、妨害ピ-クは認められず、各フラボノイドのピ-クは明瞭に区別された。フラボノイドの定性については当初保持時間を用いて行っていたが,溶離液の混合・調整差や使用カラムの状態などによって同一フラボノイドピ-クの保持時間に僅かな相違が生じたため、分析試料中に参考標準物質としてルチンおよびラムネチンを添加し,各フラボノイドピ-クのリテンションインデックスを求めた。この結果、各フラボノイドピ-クを常に一定の数値として表すことが可能となり、溶離液や使用カラムの状態変化に関らず物質を同定することができた。 本法によって,フラボノイド検出が可能な植物斑痕量(乾燥重量)を測定したところ、各植物について100〜200ugであり、微量植物斑痕からのフラボノイド検査が可能となった。さらに,シロツメクサの斑痕試料についてフラボノイドの期節的変動を観察したところ、四季を通じて同一フラボノイドピ-クが出現し、採取時期とは無関係に植物種の同定が可能であることが示唆された。 現在,分析対象に斑痕以外のものを加えて検討を行っている。
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