研究概要 |
1、稲の白葉枯病抵抗性の機構に関する研究を行い以下の進展を得た。 (1)抗白葉枯病菌物質であるオリザライド関連化合物の検索を行い、新規関連化合物として5種類の化合物の構造を明らかにした。 (2)オリザライド類と病害抵抗性の機構との関連を明らかにする為、主成分であるオリザライドA,Bとオリザリック酸A,BのGCーMSーSIMによる定量法を確立した。 2、稲のイモチ病菌の宿主選択機構に関する研究を行い以下の進展を得た。 (1)Pyricularia oryzaeの寒天培養抽出物から植物毒素の検索を行い、植物毒素、ピリキュロ-ル関連化合物として3種の新規化合物の構造を明らかにした。 (2)稲の抵抗性の側面からイモチ菌の特定宿主選択の可能性を追求する方向に関しては今後行う予定である。 3、トウモロコシのゴマ葉枯病菌の生産する宿主特異的毒素、HMTーtoxin,PMーtoxinの関連化合物合成による構造一活性相関に関する研究では、主としてPMーtoxin関連化合物の合成を進め、天然の毒素と同じレベルの活性発現に不可欠な部分構造としてβーケト-ル基が4個以上必要であり、その間隔はメチレン基7個以上離れる必要があることを明らかにした。 4、イモチ病菌に抵抗性を示す野生稲、Oryza officinalisの葉の抽出物中に含まれる抗イモチ菌物質を精製、単離し(ー)ージャスモン酸であることを明らかにした。 5、トウモロコシのゴマ葉枯病菌に対する抵抗性の機構を明らかにする目的で抗菌物質の精製、単離を進めている。 6、モロコシの紫斑病菌が生産する植物毒素を精製単離するため培養法、検出法等に関する検討を行っている。
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