研究概要 |
本研究で最も重要は研究目的はK-Ar,Ar-Ar年代測定における極微少量放射起源アルゴンの定量分析技術を確立することである。そのために、主要な設備品として超高感度超底バックグランド希ガス用質量分析計及び関連装置を制作することにある。アユミ工業(株)が中心となって製作してきた装置は既に納入され第一段階の調整も終え基礎データを取っている段階である。その装置開発の学術的意義と基本性能に関連した成果は8月に開催された国際地質学会議(京都)で発表された。本装置はトリプルコレクターを内蔵しており、アルゴン同位体比測定には特に高性能が期待されていた。現段階でも現有装置より同位体比分析精密度が5倍程向上していることが確認された。それによって、若い火山岩の年代測定に格段の威力を発揮することが期待される。現在さらに性能向上させる目的でイオン源の改良とコンピュータによる自動計測用ソフトプログラムの開発(本庄製作所本庄慶樹氏が協力)を進めている。 一方、現有装置でアルゴン同位体定量分析の基礎的研究を天然の岩石及び鉱物試料を使って進めてきた。それらの成果は一部公表されてきた。また,レーザープローブによる基礎実験も現有装置を使って進めて来た。それらの成果も学会発表され、近く雑誌に投稿する予定である。それによっても微少量アルゴンの定量分析技術も確立されつつある。現在、我々の研究室ではYAGパルス及び連続レーザーとアルゴン連続レーザーの3機種が装備されており新装置の性能向上を待っている状況にある。
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