研究課題/領域番号 |
03505002
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
上野 照剛 九州大学, 工学部, 教授 (00037988)
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研究分担者 |
津田 良一 九州東海大学, 工学部, 講師 (40117403)
鶴岡 久 福岡工業大学, 工学部, 教授
伊良皆 啓治 九州大学, 工学部, 助手 (20211758)
加藤 元博 九州大学, 医学部, 教授 (90038638)
円福 敬二 九州大学, 工学部, 助教授 (20150493)
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キーワード | SQUID / 脳磁図 / デルタ波 / 逆問題 / 電流双極子 / 磁気刺激 / ベクトル磁気刺激 / 8字コイル |
研究概要 |
本研究では、脳の機能的疾患の診断や高次脳機能の局在性を調べるため、脳磁図計測と脳の磁気刺激を用いる脳機能イメ-ジング装置の構築を目的としている。このため本年度は、まず、1チャネルSQUID磁束計を用いて、脳波では検出することが出来ず、脳磁図でのみ検出出来るような脳内電源の観測を試みた。その結果、睡眠時の睡眠4期に出現するデルタ波の中に、脳磁図でしか捉えられない信号が存在する可能性があることがわかった。このことにより脳波にはない脳磁図の有用性が実証できた。また、脳磁図と脳波の逆問題手法を開発し、この手法を用いて睡眠2期に発生するK-complexと聴性誘発反応のN100成分の電源推定を行い、両者の発生源に関連があることを示した。さらに、脳機能イメ-ジング装置には、多チャネルSQUIDシステムが必要であるので、磁気シ-ルドル-ムやデ-タ解析装置を一体化した7チャネルSQUIDシステムの開発を行った。 一方、脳の磁気刺激において、逆直パルス磁場対をもちいた8字形コイルによりヒト大脳皮質運動野を局所的に刺激し、脳機能分布図を作成することにより脳機能の局在性について検討を行った。その結果、5mm以内の分解能で皮質運動野を頭の外から刺激できることを明らかにした。また、皮質運動野の磁気刺激により得られる機能分布図が、刺激電流の方向変化により大きく変化することを確認した。このような、刺激電流のベクトルに依存した神経興奮性の変化は、脳内神経の機能的情報のみならず、構造的かつ解剖学的配列の情報をも反映するものである。この様に脳の局所的磁気刺激法を用いて脳の機能と構造を非侵襲で調べることが可能である。
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