研究分担者 |
塚原 祐輔 凸版印刷(株), 総合研究所, 副主任研究員
渋木 邦夫 東芝タンガロイ(株), 工具本部工具開発部, 主任研究員
長崎 千裕 東京大学, 工学部, 助手 (90180471)
松原 秀彰 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (90167651)
相澤 龍彦 東京大学, 工学部, 助教授 (10134660)
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研究概要 |
WC/Co系サ-メットに代表される超硬合金は,塑性加工における工具材料・構造材料として使用され,その長寿命化・高機能化のために表面にTiN、TiCあるいはTi(CN)等のセラミック層をPVD,CVDにてコ-ティングする方法がとられる。このコ-ティングではタ-ゲット材料に物理的な打込みあるいは化学的な熱拡散で気化/イオン化したセラミック層を蒸着するため,コ-ティング界面には力学的・冶金的影響を与え,コ-ティング材料全体の強度に大きな影響を与える。本研究は,非破壊的測定方法と解析手法とを総合して,母材料・コ-ティング材料の評価を含む被履材料強度推定を最終目的とする。本年度は,評価のための超音波スペクトロマイクロスコピ-装置を試作し, (1)モデル材料(溶融石英ガラス上にAu蒸着)を用いて,2層積層を仮定して得た推定反射係数分布と計測デ-タとを比較し,本計測手法の定量的妥当性を確認するとともに,2層構造材料の超音波伝播構造を考察した, (2)PVD・CVD・MT-CVD3通り,TiN・TiC・Ti(CN)3通り,コ-ティング膜厚を4種類変化させて系統的な評価実験を行い,固有な周波数分散特性の比較,検討するとともに,2層積層下での推定反射係数分布との比較からコ-ティング材の弾性特性を推定した, (3)母材料に関して,Co重量比ならびにWC粒子軽を変化させ,その表面波速度に与える影響を評価し,SEM観察より得られる粒径分布・Co凝集組織との関係を考察した。 以上の知見により,超音波スペクトロマイクロスコピ-法は被履材料評価方法としてきわめて有効であり,単に各層の弾性特性のみを求めるだけでなく,力学特性と組織との関係を明確にとらえることができると考えられる。
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