研究概要 |
平成4年度では,視覚にいくつかの変換を施し,更に特殊な前庭刺激を付加して両者の協応過程の再統合プロセスを検討することと,動体にたいする滑動性眼球運動中の速度成分の感覚量の測定について,プリズムアダプテ-ション実験とのからみで検討を行い,更に長期プリズム順応実験を行う計画であった.1)比較的長期の(10-20日)プリズムアダプテ-ション実験,準無重量実験装置(既設)を用いて重力による一方向的な体性感覚入力を遮断した時の眼球・頭部協応関係(小型コンピュ-タ)の検討,パラボリックフライトによる人為的無重量環境下での頭部/眼球の協応運動の検討を行った.本研究課題において本年度になされた研究の成果は以下のとおりである. 1)2軸回転椅子による前庭刺激実験:既設の回転椅子装置を用いてデ-タレコ-ダ,各種生体指標記録装置により眼球運動と3次元頭部運動記録を同時記録し,協応関係を検討した. 2)全周体位傾斜装置,(既設)一様等質・等距離スクリ-ン(既設)内で被験者に対して重力の余弦成分の入力を変化させてその時の視覚,前庭協応関係を検討した. 3)中・短期プリズムアダプテ-ション実験を行ない内観報告から被験者の心的イメ-ジの分析を行った. 4)弾道実験を行ない,順応過程中の人為的前庭入力をによるVOR gainの変化過程を検討した.
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