研究概要 |
国際社会の連関構造のモデル開発について予備的検討を行い,諸アクタ-が参加する相互連関の構造とそのネットワ-クのシステム連関の態様に関連して,今後における解析モデル作成の方向づけについて一つの成果がえられた。そこでの認知図モデルの作成による国際システムの連関構造モデルの開発は,現在そのモデル開発の試行段階にある。また,これまで進められてきたデ-タ解析については,このプロジェクトで予定された東京大学教養学部(山影研究室),東京大学東洋文化研究所(田中研究室),及び日本大学法学部(浦野研究室)の間での共同分析のためのワ-クステ-ションの研究体制が現在整備されつつあり,テスト段階にある。この始動によって大型の計算プロジェクトの作業が可能となる見通しにある。他方,基本デ-タの検証,その収集及びデ-タ入力の作業は予定された通り進められており,特に国連活動のデ-タについては1990年までのデ-タ化及びデ-タ解析がなされ,その分析結果は公表され,これによってソ連・東欧共産圏諸国の変容が検証できた。さらに,紛争デ-タに関しては,すでにその作業の一部は公表されており,その基礎デ-タの補充及び計量化モデルの試行が現在進行しており,その問題解決システムを展望した紛争計量化及び認知モデルの開発についての議論が繰り返されており,近い段階でそのモデルについて合意が得られる。その予備作業として朝鮮統一を事例に,朝鮮半島をめぐる統一の認知図分析がなされた。
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