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1991 年度 実績報告書

高いエネルギ-分解能を持つ新しい全反射角X線分光法の開発とその表面研究への応用

研究課題

研究課題/領域番号 03554007
研究機関東京大学

研究代表者

長谷川 修司  東京大学, 理学部, 助手 (00228446)

研究分担者 井野 正三  東京大学, 理学部, 教授 (70005867)
キーワードX線分光 / 全反射角 / 結晶分光器 / 表面分析 / 反射高速電子回折 / EXAFS / 組成分析 / 深さ分析
研究概要

本研究の目的は、我々が独自に考案・開発したRHEED-TRAXS法(反射高速電子回折-全反射角X線分光法)と呼れる固体表面解析・分析法をさらに高度化させた「高分解能TRAXS法」を実現することにある。この目的のもと、本年度に行った研究の実績を以下に述べる。
(1)X線分光結晶と位置敏感型X線検出器及びゴニオメ-タを組み合わせて、X線分光システムを設計・製作し、現有機器のRHEED-MBE(分子線エピタクシ-)装置に組み込みんだ。
(2)真空試験及び幾何学的配置等の調整の後、RHEEDパタ-ンを観察しながら、試料から放射されるX線を分光し、位置分析回路及びマルチチャンネルアナライザ-でパラレル検出してエネルギ-スペクトルを得、本研究の第一段階の目標を実現した。
(3)LiF(200)結晶を使って、Siウエハ表面に蒸着したGa原子からのKα_1(9.252keV)線とKα_2(9.225keV)線付近のエネルギ-スペクトルを測定し、約13eVのエネルギ-分解能が達成されていることを確認した。これは、従来のTRAXSで用いてきた半導体X線検出器での分解能150eVに比べ、約10倍向上したことになり、本研究の第二段階の目標をほぼ実現した。しかし、次の目標である、EXAFS(Extended X-ray Absorption Fine structures)解析には不十分であるので、ゴニオメ-タ等の改良が必要である。
(4)結晶分光器を用いた場合、X線の強度が非常に微弱になるのではないかと心配していたが、十分な強度で検出され、短時間の測定(1、2分)で良好なS/N比のスペクトルが得られたので、従来のTRAXSで行っている動的な現象の測定等にも対応できることがわかった。
今年度の実績を踏まえ、来年度は、ゴニオメ-タに多少の改良を加え、この手法を本格的に表面研究に応用していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 長谷川,井野: "Surface structures and conductance at epitaxial growths of Ag and Au on the Si(111)surface" Physical Review Letters. 68. 1192-1195 (1992)

  • [文献書誌] 長谷川,井野: "High resolution TRAXS(total-reflection-angle X-ray spectroscopy)combined with RHEED" Review of Scientific Instruments.

  • [文献書誌] 長谷川,井野: "High resolution TRAXS(total-reflection-angle X-ray spectroscopy)and its application to EXAFS analysis" Japanese Journal of Applied Physics.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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