研究課題/領域番号 |
03554009
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡田 広 北海道大学, 理学部, 教授 (40000799)
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研究分担者 |
中野 修 (株)ダイヤコンサルタント, 技術研究所, 課長
笹谷 努 北海道大学, 理学部, 講師 (10002148)
森谷 武男 北海道大学, 理学部, 助教授 (60001864)
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キーワード | 微動探査法 / 広域概査 / アレイ観測 / 周波数ー波数スペクトル / レイリー波 / 位相速度 / 地下構造 |
研究概要 |
本研究は、石油・石炭等の構造探査や厚い地盤構造・地殻上部構造の探査において、探査のより省力化、効率化を図るために従来の反射法・VSP法探査を精査として位置づけ、そのための広域概査に微動探査法を導入し、その実用化を図ることを目的とする。 本年度の研究実施計画に沿い、十勝地方帯広市郊外の帯広畜産大学及び道立農業試験場を中心とする地域に実験場を設定した。実験実施時期は平成4年7月27日〜8月3日の8日間である。実験項目は、(1)旧地震計PELS73V10台を使用した半径5kmと2kmの2種類のアレイによる微動観測及びF-Kスペクトル法によるレイリー波の位相速度推定と深さ3000mまでの地下構造推定、(2)人工震源ダイナソースを用いた表面波探査による周波数10〜20Hzのレイリー波位相速度推定と深さ約50mまでの地下構造推定、(3)3成分地震計UP-255 9台を使用した半径180m、90m、50mの3種類の半円形アレイによる微動観測及び空間自己相関法によるラブ波の位相速度推定と深さ約500mまでのS波速度による地下構造推定、(4)旧地震計PELS73V10台を使用した半径400mと200mの2種類のアレイによる微動観測及びF-Kスペクトル法によるレイリー波の位相速度推定と深さ1000mまでの地下構造推定等である。本研究で最も重要な野外での観測はいずれの項目でもほぼ計画通り完了し、良質のデータが得られた。なお、実験項目それぞれのデータ解析を行い、位相速度を推定したが、新たに従来のフーリェ変換を使って得られるF-Kスペクトルは必ずしも良い精度でないことが明らかになった。この方法では、F-Kスペクトルは特に高周波数側で精度が落ち、位相速度がうまく推定できなかったりする。それは浅部の地下構造推定を困難にする。これを改良し、F-Kスペクトルの基本となるクロススペクトルの計算に自己回帰モデルの適用を試みた結果、高周波数側の位相速度推定の精度を上げることができた。
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