研究課題/領域番号 |
03554012
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩坂 泰信 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20022709)
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研究分担者 |
田中 洋一 ダン産業株式会社, エンジニアリング部, 部長
松永 捷司 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60022729)
近藤 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (20110752)
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キーワード | 非フロン型露点ゾンデ / 成層圏水蒸気 |
研究概要 |
大気中の水蒸気量の測定は、広い分野で行われており、既に充分に確立した技術と考えられている。しかし、成層圏での水蒸気量の観測は、きわめて大気中の水蒸気が少ないことと低温であることが大きな障害となって、これらの既存の技術を単純に応用するだけではほとんど不可能である。かつて、露点ゾンデが盛んに使用され大きな成果が上げられたにもかかわらず、装置の取り扱いにやや難があることと冷却部分にフロンを使用していたことから、現在では使用されなくなっている。 本研究では、この方式がきわめて高い感度を持っていることに注目し、露点温度計測をフロンによる冷却部を使わず、また取り扱いの簡便化、再現性の向上という技術的要請を同時に満たす新型の露点ゾンデの開発を行ってきた。今年度は、計画にしたがって冷却部分の非フロン化をはかるための基礎的な実験を行った。 サ-モモジュ-ルを多段に積上げた冷却素子は、地上の平均的な大気環境のもとでは ・充分に早い応答(設定された目標値(環境温度に対して約30度低い温度)に達するまでにおよそ20秒)が達成されている。 ・達成された低温状態は、成層圏で露点を実現するのに充分な低温状態であった。 であることが確認された。新型露点ゾンデの冷却部に多段のサ-モモジュ-ルを採用し非フロン化を図ることに基本的なメドがたったと判断される。しかし、成層圏では放熱効率が低下する点をさらに検討する必要が残されており、次年度にこの点の実験研究を継続する。 上記の実験に加えて、光学部の予備的検討を開始した。本年度は従来のランプより安定して輝度の高い光が得られるLEDを検討したが、次年度は半導体レ-ザをあわせて検討する。 本年度の研究成果報告では、成層圏での水蒸気計測の重要性に触れた研究成果のみを公表するにとどまったが、次年度はプロトタイプのゾンデが出来上がった時点、実験結果等を系統的に公表していく計画である。
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