年代測定のための超高感度熱蛍光測定装置の開発

1992 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 03554023
• 研究機関: 新潟大学
• 研究代表者: 橋本 哲夫 新潟大学, 理学部, 教授 (50027439)
• キーワード: 石英粒子 / 熱蛍光年代測定 / 高感度熱蛍光測定 / ルミネッセンス / 火山灰地層 / 旧石器時代 / 速度論 / 画像解析

研究概要

極微弱光瞬間分光(IPDA)装置からのデータファイルをもとに、当研究費出購入のマッキントッシュパソコンシステムを使用して、熱蛍光(TL)スペクトルを温度対波長軸の図上にTL強度を等高線表示することが出来るようになった。この表示法を用い、新潟砂丘や旧石器遺跡関連地層や火山灰堆積地層から抽出した石英粒子の熱蛍光特性を、天然TLのみならず、熱処理した石英についても調べることが出来た。更にはこのデータファイルをもとに任意の波長域のグローカーブや、任意温度域でのスペクトルも抽出表示可能となり、利用範囲が広まった。また水晶薄片を用い、中性子放射化分析により、AlとNa含量がTL強度と相関性を有していることが明かとなった。すなわち、100ppm以下のAl量では青色TL強度は負の相関を示しており、一方熱処理(900℃100時間)後には青色TLそのものはほぼ直線的な増感を示すものの、100ppm以上のAl不純物を含有している部位では、青色以外に顕著に赤色TLへと変化しているという興味深い現象を見い出すことが出来た。
青・赤色TL同時測定行なえるよう石英ガラスを加熱部位に使用し、2個のセラミックスヒーターにより1℃/秒での加熱が可能である高感度TL測定装置の開発を行なった。ライトパイプによる光の高効率での検出とともに本研究費で購入したパソコンや光検出部を用い、制御用ソフトのみならずデータ解析プログラムも完成させ、世界初の青・赤色同時高感度TL測定装置の完成させた。感度の面では今後改良の余地があるため引き続き検討中である。さらに、天然赤TLの速度論的パラメーターをもとにグローカーブにフィッテングし、関与する捕捉電子の平均寿命を見積った。

研究成果

• [文献書誌] T.Hashimoto: "Autoradiographic observation of Al-,Mn-,Na-distritsition on rock slices using neation aetiration-induced radioaetivity and prekrentid utilization of imagiy plate as its altenatine detector" Radioisotopeo. 41. 618-626 (1992)
• [文献書誌] T.Hashimoto: "Principle of single and multiple time interval analysisapplicable to radioaetine nuclides with half-life of millisecond order" J.Radooanal.Nucl.Chem.Arb.159. 375-387 (1992)
• [文献書誌] T.Hashimoto: "Actiration energies from blue-and red-TL of guarty grairs and mean lires of trpped alectrons related to natural red-TL" Nucl.Tracks Radoat.Meas.
• [文献書誌] T.Hashimoto: "Dependence of red-thermaluminescene on Eu-anomaly in natural guartzes" Nucl.Tracks Radoat.meas.
• [文献書誌] 橋本 哲夫: "天然鉱物の放射線由来のルミネッセンススペクトル" Radoisotopes. 42. 201-202 (1993)
• [文献書誌] T.Hashimoto: "Detectuon sensitrity of time interucl analysis for the dotemination of α-radionuclides with willi-second order lives" J.Radooanul.Nucl.Oham.Art.
• [文献書誌] 橋本 哲夫(分担執筆): "第4版実験化学講座14 3・4微弱放射能測定技術" 丸善, 550(65) (1992)
• [文献書誌] T.Hashimoto(分担執筆): "“Hand Book of Hot Atom Chemistry"5・5Luminescnce from inadiatel Matoriols,5・7α-recoil damage and HAC" KODANSHA, 500(15) (1992)
• [文献書誌] T.Hashimoto(分担執筆): "“Handbood of Hot Atom Chemistry"5.7α-recoil damage and HAC" KODANSHA, 448(15) (1992)