極微弱光瞬間分光(IPDA)装置からのデータファイルをもとに、熱蛍光(TL)スペクトルを温度対波長軸の図上にTL強度を等高線表示することが出来るようになった。 更にはこのデータファイルをもとに任意の波長域のグローカーブや、任意温度域でのスペクトルも抽出表示可能と成った。 青・赤色TL同時測定行なえるよう石英ガラスを加熱部位に使用し、2個のセラミックスヒーターにより1℃/秒での加熱が可能である高感度TL測定装置の開発を行なった。ライトパイプによる光の高効率での検出とともに本研究費で購入したパソコンや光検出部を用い、制御用ソフトのみならずデータ解析プログラムも完成させ、世界初の青・赤色同時高感度TL測定装置の完成させた。感度の面では今後改良の余地があるものの、この測定装置を用い、天然赤TLの速度論的パラメーターをもとにグローカーブにフィッテングし、関与する捕促電子の平均寿命を見積った。 また水晶薄片を用い、中性子放射化分析により、AlとNa含量がTL強度と相関性を有していることが明かとなった。すなわち、100ppm以下のAl量では青色TL強度は負の相関を示しており、一方熱処理(900℃100時間)後には青色TLそのものはほぼ直線的な増感を示すものの、100ppm以上のAl不純物を含有している部位では、青色以外に顕著に赤色TLへと変化しているという興味深い現象を見い出すことが出来た。
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