研究課題/領域番号 |
03554024
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山岸 晧彦 北海道大学, 理学部, 教授 (70001865)
|
研究分担者 |
大津 裕 資生堂, 基礎科学研究所, 主任研究員
松下 信之 東京大学, 教養学部, 助手 (80219427)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
キーワード | 粘土鉱物 / 光学分割 / HPLC / chromatography / metal chelate |
研究概要 |
本研究では、粘土鉱物とイオン交換付加物を充てん剤に用いて高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)を行い、有用な光学活性有機分子を迅速かつ多量に得る方法を開発することを目的とした。 まず山岸・松下は、今まで行って来た基礎実験をもとに適用できる化合物の範囲を広げるために〔Ru(phen)_3〕^<2+>のほかに〔Ru(bpy)_3〕^<2+>あるいは〔Co(phen)_3〕^<2+>で修飾したカラムについて種々の光学活性有機化合物の分割を試みた。その結果、〔Ru(bpy)_3〕^<2+>については〔Ru(phen)_3〕^<2+>と同様に有効な分割が得られること、さらに両者で選択性が反転する場合があることが解った。この結果から、粘土面上での不斉識別に関する重要な知見が得られた。〔Co(phen)_3〕^<2+>修飾カラムは上記の2つに比べてあまり高い分割能は得られなかった。これはこの錯体が3価であるため粘土面上での吸着密度が低いためであると推定された。 大津は、分取用カラム(φ200mm(i_1d_1)×300mm)を作製し、種々の金属錯体の大量分割を行った。その結果、例えば、〔Ru(acac)_3〕の光学活性体を1〜2gのオーダーで得ることが出来た。この化合物は非線形素子材料として注目を集めている。 山岸・松下は、アミノ酸誘導体の分割を試みた。その結果、ジニトロベンゾイル化した各種のアミノ酸エステルを分割することができた。吸着の平衡定数を広い温度範囲で求めた結果、立体選択的吸着におけるエンタルピー変化とエントロピー変化を求めた。これより不斉識別では、エントロピーが主要であることが示された。同様な研究は、アミト酸のダイマー(ジペプチド)についても行われた。 山岸は、モンテ・カルロ法を用いたシミュレーション法によって粘土面上における金属錯体の吸着、錯体間の相互作用を調べた。
|