研究課題/領域番号 |
03555002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石川 順三 京都大学, 工学部, 教授 (80026278)
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研究分担者 |
後藤 康仁 京都大学, 工学部, 助手 (00225666)
辻 博司 京都大学, 工学部, 助手 (20127103)
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キーワード | 大電流イオンビーム / 液体金属イオン源 / 含浸電極 / 多点放出 / 表面処理 / 誘導加熱 / ドロップレット / 集束レンズ |
研究概要 |
昨年度までの研究において、イオン源の並列動作の上での問題点としてチップの支持台の部分的な加熱が挙げられていた。本年度はまずこの加熱問題に関して検討した。従来の加熱方法では加熱電流をモニターしながら加熱していたが、この加熱が部分的な昇温の一因となっていることが明らかとなった。このため、均一な加熱を行なえるよう加熱電力をモニターしながら昇温することで顕著な部分加熱を回避することができた。さらにそれぞれのイオン源を固定する電極系の改良を行ない、イオン源支持電極とその保持部分との接触を良好にして発熱をおさえた。この結果、4つのイオン源を同時に運転することが可能となり、最大インジウムイオン電流で9mAと目標の10mAをほぼ達成することができた。 さらに大規模なイオン源の加熱方法として誘導加熱を取り上げ、その基礎的な検討を行なった。誘導加熱により、4つのイオン源をそれぞれ800℃まで昇温させることができ、より大型のイオン源の加熱のために必要な指針が得られた。 また、表面処理装置設計の上で必要なイオンビーム特性に関して、本年度は特にドロップレット(帯電液滴粒子)に関して検討した。ドロップレットは質量が大きいため、高速処理の上でその利用は重要である。設計・製作したレンズ系を用いてドロップレットの放出特性に関する分析を行なった。その結果、ドロップレットの放出は比較的均一に起こっており、特定の方向に関して強い強度をもつことがないことが明らかとなった。このドロップレットを有効に用いれば、高速処理が可能と考えられる。
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