研究課題/領域番号 |
03555003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
蒲生 健次 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70029445)
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研究分担者 |
弓場 愛彦 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30144447)
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キーワード | 集束イオンビーム加工 / 低損傷プロセス / 低エネルギーイオンビーム / 減速電界レンズ系 / イオンビーム支援エッチング / イオン照射損傷 |
研究概要 |
超微細電子デバイス製作プロセスに望まれる、低損傷マスクレス3次元微細加工技術を開発することを目的として研究を行った。このため、まず低エネルギー集束イオンビームシステムの開発を行った。今年度は、前年度に完成した装置について、その集束特性、特に空間電荷効果の影響をシミュレーションおよび実験によって調べた。シミュレーションの結果、低エネルギーにおいても空間電荷効果の影響は小さく殆んど無視できる事がわかった。実験からは、100eVのビームエネルギーにおいて100pAの集束イオンビームが得られ、金属メッシュ像の観測から、サブミクロン径に集束されているものと考えられる結果を得た。これはシミュレーションの結果と対応しており、ほぼ期待どおりの集束特性が得られたものと考えられる。3次元マスクレスプロセス技術の開発に関しては、引き続き、GaAs自然酸化膜を用いたエッチング法について検討し、GaAsのエッチング深さのエネルギー依存性がイオン照射増速エッチングおよび照射されたGaによるエッチングの抑制効果によって決まる事を示唆する結果を得た。これは加工条件によって最適のイオン種を選ぶ必要がある事を示しており、種々の集束イオンビームが得られる本装置の有用性を示す結果である。加工層の損傷の評価は、ショットキー接合の特性評価およびDLTS法によって行った。この結果、1keV以下の低エネルギーGaイオン照射によって少なくとも7種の深い準位が誘起される事、 100eVでは、ショットキー接合の理想因子(n値)は1に近く、低エネルギービームを用いる事により、損傷プロセスが期待できる事を明きらかにする事ができた。
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