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1992 年度 実績報告書

反射型高速陽電子回折(RHEPD)測定装置の試作

研究課題

研究課題/領域番号 03555004
研究機関筑波大学

研究代表者

谷川 庄一郎  筑波大学, 物質工学系, 教授 (90011080)

キーワード反射型高速陽電子回折 / 反射型高速電子回折 / 表面構造解析 / 陽電子-固体相互作用
研究概要

反射型高速電子回折法(RHEED)は、現在、固体の表面構造解析にとって不可欠の手段である。本研究では、電子の反粒子である陽電子を利用した反射型高速陽電子回折(Reflection HighEnergy Positron Diffraction:RHEPD)測定装置を世界で最初に試作し、RHEPDがRHEEDと比較して、表面構造解析能力が格段にすぐれていることを実証することを目的とした。
平成4年度には、RHEPD超高真空容器の10^<-10>torr以下の真空度を達成し、これを維持するとともに、排気時間の短縮をはかった。タングステンとシリコンから成る新しい方式の陽電子減速材を開発し、それを利用して効率を落さない陽電子ビームの高輝度化に成功した。RHEPD試料チェンバーを50kVの高電圧にフロートさせることに成功した。以上の開発により、RHEPD主要部の開発が完了した。回折ビームの2次元計測用のコンピュータプログラムを開発し、リアルタイムでモニター画面に2次元蓄積データを表示するを可能とした。試料の高精度回転機構を作成し、回転磁気スケールで、0.2ミリラジアンの精度で試料を設定することに成功した。トータル・システムとして、RHEPDパターンを、陽電子の入射エネルギーおよび入射角度の関数として測定することが可能となった。RHEPDの最初の応用例として、セレニウムをMBEで積んだGaAs(100)面での測定を実施した。現在、統計精度は低いデータであるが、2×1構造が観察されている。今後、長時間の計測を続行しつつ、最初のRHEPDの高統計精度のデータを得ようとしている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 谷川 庄一郎,鈴木 良一: "陽電子消滅の計測と得られる情報-2次元角相関" Radioisotopes. 41. 420-430 (1992)

  • [文献書誌] 上殿 明良,谷川 庄一郎: "ポジトロン消滅と材料の解析" 表面. 30. 588-597 (1992)

  • [文献書誌] 谷川 庄一郎: "陽電子分光学とその応用" 分光研究. 41. 229-248 (1992)

  • [文献書誌] 谷川 庄一郎,上殿 明良 鈴木 良一: "陽電子ビーム-低速陽電子ビームの発生" Radioisotopes. 41. 536-542 (1992)

  • [文献書誌] 谷川 庄一郎: "陽電子スペクトル-陽電子オージェ分光,陽電子イオン化質量分析" Radioisotopes. 42. 120-130 (1993)

  • [文献書誌] 上殿 明良,谷川 庄一郎: "筑波大学における放射性同位元素を用いた低速陽電子発生装置" 放射線. 18,No.2. 41-54 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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