研究課題/領域番号 |
03555006
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大津 元一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70114858)
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研究分担者 |
平野 正浩 旭硝子株式会社, 中央研究所研究開発担当, 部長
永井 治男 アンリツ株式会社, 研究所第二研究部, 部長
作間 英一 通商産業省, 工業技術院・計量研究所・量子計測研究室, 室長
中川 賢一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (90217670)
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キーワード | スペクトル / 半導体レ-ザ / 注入同期 / 光周波数 / ヘテロダイン / 変調 / 非線形光学 / 共振器 |
研究概要 |
FM分光法を用いた電気的負帰還制御を考案し、波長1.5μm半導体レ-ザのスペクトル幅を狭窄化した。その結果、本研究開始前の値、250Hzの約1/3の値、すなわち80Hz、が達成された。MOCVD法により広ストライプ・多モ-ドの高出力半導体レ-ザを製作し、これに上記の狭スペクトル幅半導体レ-ザの光を注入し、注入同期法により単一モ-ド化した。その結果、注入先パワ-0.8mW以上で副モ-ドパワ-抑圧度30dBを実現した。速度選択的光ポンピング法を用いてこの高出力半導体レ-ザの周波数をルビジウム原子の吸収スペクトルに高精度で安定化することができた。 ヘテロダイン法による光周波数測定のための局部発振器として使うために光周波数コムジェネレ-タを開発した。これはファブリ・ペロ-共振器内に電気光学位相変調器を設置したものである。変調器の変調周波数をファブリ・ペロ-共振器の自由スペクトル域の2倍の値に設定すると高効率位相変調が可能になる。これによりファブリ・ペロ-共振器に入射する狭スペクトル線幅半導体レ-ザの光を変調した結果、多数の変調側波帯が発生した。第400次の側波帯がS/N値17dBで測定された。この結果より測定可能な側波帯の周波数範囲は1.7THzに及ぶことがわかった。 基準周波数との位相同期を行うために非線形光学結晶を用いて和、差周波数を発生させる必要があるので、その結晶の設計製作を行った。LiNbO_3結晶を用いた場合、結晶温度580度にすれば良いことがわかった。さらにこのような和、差周波数発生に必要なTi:A1_2O_3レ-ザ及び半導体レ-ザ励起YAGレ-ザの発振周波数制御を行い、良好な結果を得た。以上の結果により本研究を次年度も継続することにより当初の目標が達成できる見通しを得た。
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