研究課題/領域番号 |
03555012
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 展雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (10171646)
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研究分担者 |
岸 輝雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40011085)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | SHPB法 / 衝撃負荷 / 応力-ひずみ線図 / 応力パレス / 一軸圧縮 / GFRP / 損傷進展プロセス / 損傷メカニズム |
研究概要 |
本研究の目的は、単純一軸応力状態の衝撃負荷パルスを任意に制御し、高速変形を負荷途中で中断または急変させることにより、材料が高速変形している各段階における変形・損傷プロセスを測定する装置を試作研究することにある。具体的には、ひずみ速度10^3/sが達成できる圧縮型および引張り型のSHPB(スプリットホプキンソン棒)法に、負荷を変形途中で中断または急変させる機能を負荷することにより、試験片を最終破断させずに回収し、各高速変形段階で材料に生じている変形プロセスや損傷メカニズムを各種微視的観察により求めるシステムを構築した。本研究は次の3つの課題を解決し、汎用の高速変形・損傷進展プロセス測定装置としての実用化を行った。すなわち、(1)ハードウェアの製作、(2)計測ソフトウェアの構築、(3)代表的試験材料による測定。 とくに、一方向ガラス繊維強化不飽和ポリエステル複合材料の繊維方向圧縮実験により、次のような新しい知見が得られた。 1.圧縮強度はひずみ速度の上昇とともに上昇するのに対し、温度の上昇とともに減少する。 2.圧縮弾性率および面内せん断弾性率も同様にひずみ速度の上昇とともに上昇するのに対し、温度の上昇とともに減少する。 3.動的応力-ひずみ線図上の任意の点において除荷し試験片を回収することに成功した。回収された試験片の微視的観察により繊維の微小座屈が主たる損傷メカニズムであることを示すとともに、その損傷進展プロセスを明らかにした。 4.上記実験結果に基づき、面内せん断弾性挙動の非線形性を考慮した新しい繊維微小座屈理論を構築した。同理論による予測値は、圧縮強度のひずみ速度・温度依存性の実験結果とよい一致を示した。 以上、本研究において開発された装置は、耐衝撃性材料開発のための評価方法としてきわめて有力なものであることを示した。本方法による各種新規材料の評価が期待される。
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