研究分担者 |
佐藤 忠一 日本精工株式会社, 生産技術研究所, 所長
小泉 忠由 東京工業大学, 工学部, 助手 (90016527)
橋詰 等 東京工業大学, 工学部, 助手 (50218400)
稲場 千佳郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (10223231)
新野 秀憲 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40196639)
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研究概要 |
平成3年度においては,加工空間全体を完全閉鎖空間とすること,加工対象に適合した加工雰囲気を創成すること,更に,その雰囲気及び環境条件を能動的に制御すること,を満足すると共にナノメ-トルオ-ダの超精密・高能率加工を実現することのできる,加工環境制御による極限加工システムの実現を目的として,具体的構築のための基礎研究を実施した。 まず,極限加工の中でも特に重要であると考えられる,チタン合金やセラミックスに代表される難削材の超精密加工を対象に,各種の加工物の物性と現時点において最適と考えられている具体的な加工方法について調査,分析し,それらの結果を体系化した。その結果,加工環境制御という観点からの検討は何等行なわれていないことが明らかになった。 加工環境制御を実現する上で必要となる,人間の感覚機能及び神経系を合理的に実現すると共に代替可能であると考えられる,加工状態のインプロセス認識方法について調査分析及び具体的な検討を行なった。その結果,現時点において超精密加工において実用に供することのできるセンシングメカニズムは皆無に等しいことが明らかになったため,新たなセンシング機能について検討を行なった結果,加工点近傍の熱流束のモニタリングが超精密加工におけるダイヤモンド工具の微小摩耗,微細な切り屑の排出状態,微小な工作物取り付け状態の変化,微小な工具折損等の状態認識において有効な認識方法であることが実際の超精密切削加工実験により明らかになった。 更に,具体的な加工環境制御システムの構成について構造設計面から検討を行なった結果,新たな閉鎖形カプセル構造工作機械の構造概念と具体的設計案を完成することができた。その結果,次年度に開発する加工環境制御極限加工システムの具体的構築のための基礎が確立された。
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