研究概要 |
アルミニウム粉混入レジノイド砥石を研削加工に採用することによって,研削時の工作物の温度上昇および砥石の熱変形量が抑えられ,高能率・高精度研削加工の可能性を有することが明らかとなっている。本研究では,この砥石にこれまで行われてきたPVA砥石を用いたドレッシング法に代わる新しいドレッシング法としてYAGレ-ザによる作用面生成法を開発し,アルミ粉混入レジノイド砥石による高能率・高精度研削加工の可能性をさらに検討した.得られた主な結果は以下のようである。 (1)アルミ粉混入レジノイド砥石にYAGレ-ザを単発照射することによって砥石表面にはクレ-タが生成され,中心部のくぼみは砥粒および結合剤の溶融ならびに砥粒の脱落によって生成され,その周囲には溶融した結合剤の流出および砥粒の移動によって盛上がりが生じる. (2)従来のドレッシング法の場合に比べて、YAGレ-ザによるドレッシングを施すことによって,研削抵抗が減少しさらに表面粗さがかなり改善される.また,砥石摩耗についても従来のドレッシング法の場合よりも低下する.さらにレ-ザドレッシングを施すことで,研削時のびびり振動発生までの総研削量が従来の場合の約2.5倍に達し,砥石寿命が飛躍的に向上する. 以上のことから,アルミ粉混入レジノイド砥石のYAGレ-ザによるドレッシング法が高能率・高精度研削加工に有効であることが明らかとなった. 本研究では,さらにYAGレ-ザによる最適ドレッシング条件についての詳細な検討を行い,高能率・高精度研削加工の実現を図る予定である.
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