昨年度の研究実績により、各種ボンドのダイヤモンド砥石に対して、ロータリ・ドレッサでトルーイング後の砥石作業面に本研究により開発した液体ホーニングによるドレッシング法を適用すると、砥石作業面が理想的状態にドレス(目立て)できることが明らかとなった。 本年度は、液体ホーニングによるドレッシング法および従来法によりドレスした各種ボンドのダイヤモンド砥石により、各種セラミックスの研削試験を実施した。その結果、液体ホーニングによるドレッシング法の優位性が研削性能の観点から以下のように明確となった。 1.初期研削動力および初期法線研削力の値が小さくなる。 2.研削初期から良好な仕上面粗さが得られ、現在、加工現場で行われている捨て研削が不要となる。 3.研削比が増大でき、高価なダイヤモンド砥石を経済的に使用することができる。 さらに、発展的な研究成果として以下のことも明確となった。 4.液体ホーニングに使用する研磨剤は、メタルボンドおよび鋳鉄ボンドに対してはアルミナ、レジンボンドに対してはガラスビーズ、有気孔ビトリファイドボンドに対しては合成樹脂が適しており、その粒度はホイールの粒度と同じか、やや小さめがよい。 5.焼入鋼の研削加工に加工現場で広く使用されるようになった、有気孔ビトリファイドボンドCBNホイールに合成樹脂を研磨剤とする本ドレッシング法を適用すると、研削性能の全てにおいて良好な結果が得られることが確認できた。 以上の研究成果については、(社)精密工学会において講演発表した。
|