研究課題/領域番号 |
03555031
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
藤城 郁哉 三重大学, 工学部, 教授 (90023043)
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研究分担者 |
四阿 佳昭 新日本製鐵(株), 設備部, 研究員
竹本 雅謙 新日本製鐵(株), 設備部, 研究員
中村 裕一 三重大学, 工学部, 講師 (20164345)
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キーワード | 高圧力 / メインテナンストライボロジ- / 潤滑油 / 高温 / 粘度 / 摩擦 / ダイヤモンドアンビルセル / 摩耗 |
研究概要 |
本年度得られた知見など、研究実績を研究実施計画に従って以下に略記する。 1.マルチチャンネル測光システムおよびダイヤモンドアンビルセル装置(DAC)による実験装置に関して、圧力測定装置と粘度測定装置を独立に設置し、実験の同時進行が可能となった。特に粘度測定装置については、精密微動台、ズ-ム搭載のビデオカメラの使用により、高粘度域の調整の容易さ、精度が優れたものとなった。 2.高温高圧下のASMEデ-タのあるパラフィン系合成エステル油であるDOSを標準試料として実験装置の検定を行ったところ、室温においてはASMEのデ-タとよく一致し、再現性も確認された。高温においては、潤滑油の熱膨張をDAC本体(ステインレス鋼)が拘束するため、圧力が増加することが明かとなり、その圧力上昇量を粘度を測定しASMEデ-タと比較することにより求めた。これを潤滑油とDAC本体の圧縮率と熱膨張係数からの計算値と比較した結果、ほぼ一致し、潤滑油の圧力-体積-温度関係が分かれば、昇温時の圧力上昇分を評価できることが明らかとなった。また、その圧力上昇量から、これまで未知であったルビ-蛍光線の高圧力下の温度係数という極めて重要な値を得た。この値を用いてポリアルファオレフィンのDACにおける圧力上昇量がわかった。今後はナフテン系合成油について圧力上昇量を測定し、高温高圧下の粘度デ-タを得る。 3.ラボテストでは、4球式試験機により摩擦、摩耗実験を行い、パラフィン系合成油のPAOにおいては圧痕面績が大きく、摩擦係数も大きいが温度特性が優れており、ナフテン系の場合にはその逆であることが明かとなった。2.との相互関係については、今後、ナフテン系合成潤滑油について圧力上昇量測定したのち、種々の潤滑油の高温高圧力下の粘度デ-タを総合的に評価する計画である。
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