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1993 年度 実績報告書

宇宙機器用歯車の歯面処理法の開発と性能評価

研究課題

研究課題/領域番号 03555032
研究機関鳥取大学

研究代表者

小田 哲  鳥取大学, 工学部, 教授 (50032016)

研究分担者 宮近 幸逸  鳥取大学, 工学部, 助教授 (30157664)
小出 隆夫  鳥取大学, 工学部, 助教授 (60127446)
キーワード歯車 / 真空 / 摩擦 / 摩耗 / 固体潤滑膜 / 低温 / 曲げ疲労強度
研究概要

本研究では,まずSUS440C歯車とこれに固体潤滑膜(MoS_2)をコーティングしたSUS440C(MoS_2)歯車に対して,試作した高真空用動力循環式歯車運転試験機を用いて,高真空中(p=10^<-5>Torr)および大気中で運転試験を行って,これらの歯車の摩擦・摩耗特性,効率などについて検討を加えた.つぎに運転時の歯車の歯,軸および真空槽内の温度変化を測定し,真空,大気中における発生熱および熱の流れについても調べた.さらに,SUS440CおよびSUS440C固体潤滑歯車に対しては宇宙基地計画におけるJEM(日本実験モジュール)で現在考えられている基準ヘルツ応力(最大ヘルツ応力σ_H=735MPa)の下でも摩擦・摩耗特性を調べた.その結果,つぎの諸点が明らかになった.
1.歯面の摩擦係数は,SUS440C歯車では真空中の方が大気中よりも小さいが,SUS440C(MoS_2)歯車の場合,真空中と大気中とではあまり変わらない.また,MoS_2膜により摩擦特性が大幅に改善されるため,SUS440C(MoS_2)歯車の摩擦係数は,真空,大気中のいずれにおいてもSUS440C歯車よりもかなり小さい. 2.伝達効率は,SUS440C,SUS440C(MoS_2)歯車のいずれにおいても真空中と大気中とではあまり変わらない. 3.摩耗量は,SUS440C歯車では真空中の方が大気中よりも小さいが,SUS440C(MoS_2)歯車では真空中と大気中ではあまり変わらない. 4.SUS440C(MoS_2)歯車の摩耗は,歯面に沿ってほぼ一様に進行し,また歯面あらさは歯面上の各位置でほぼ等しい. 5.JEMで現在考えられている基準ヘルツ応力σ_H=735MPaの下ではSUS440C歯車は運転開始直後に焼付くが,固体潤滑膜をコーティングした場合には焼付きに対する寿命が大幅に改善され,回転数10^4程度にもなる. 6.運転中の歯の温度上昇は,真空中では気体による熱伝達,伝導および対流が期待できないため,大気中よりも大きい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小田 哲: "真空中における固体潤滑およびプラスチック歯車の摩擦・摩耗特性" 日本機械学会講演論文集. 935-1. 256-258 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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