研究課題/領域番号 |
03555033
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
兼田 もと宏 九州工業大学, 工学部, 教授 (90039123)
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研究分担者 |
米田 理史 通商産業省工業技術院, 四国工業技術試験所, 室長
勝村 宗英 通商産業省工業技術院, 四国工業技術試験所, 主席研究官
西川 宏志 九州工業大学, 工学部, 助手 (40208161)
松田 健次 九州工業大学, 工学部, 助教授 (40229480)
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キーワード | トライボロジ / 表面改質 / レーザー溶射 / 傾斜亀能膜 / 窒化チタン |
研究概要 |
前年度その作製に成功したチタンワイヤとアシストガスとの反応を利用したチタンー窒化チタン系組成傾斜レーザ溶射皮膜をアルミニウムおよび軟鋼基材上に創出し、摩耗量のオンライン計測が可能になるように改良した面接触型摩擦摩耗試験機を用いて、創出皮膜のトライボロジ特性の評価を実験した。その結果、次のような知見が得られた。 1.摩擦係数および摩耗量は、傾斜皮膜各層の硬度に応じて変化する。硬度が高いほど摩擦係数および比摩耗量は低下する。 2.アルミニウム基材に溶射された100μm以下の純チタン皮膜を除いては、耐摩耗性は皮膜の積層順序や傾斜の程度には影響を受けず、皮膜摺動部の硬度に大きく依存する。すなわち、窒化チタン皮膜の厚さが一定以上あれば、基材の影響を受けず耐摩耗材料として十分使用可能である。 3.基材に接する皮膜が、窒化チタンである場合の方がチタンである場合よりも摩擦による剥離強度は高い。また、界面剥離強度は膜厚の増加とともに高くなる。なお、剥離した場合の剥離面積は、鉄基材に比較してアルミ基材の方が広い。 前年度および今年度の結果を総合すれば、表層に一定厚さ以上のTiN皮膜、下層に耐熱衝撃特性を考慮した組成傾斜皮膜を形成し、かつ、基材界面にチタン濃度の高い窒化チタン層を形成させた窒化チタン系組成傾斜皮膜は、耐摩耗並びに耐熱衝撃特性の両面に優れた材料として使用可能であると結論される。なお、本組成傾斜皮膜が更に優れた高温摺動材として使用されるためには、表面の最適加工法を確立することが必要と考えられる。
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