研究課題/領域番号 |
03555039
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小森 悟 九州大学, 工学部, 助教授 (60127082)
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研究分担者 |
千葉 賢 計算流体力学研究所, 研究員
神崎 隆男 九州大学, 工学部, 助手 (30221906)
村上 泰弘 九州大学, 工学部, 教授 (00037730)
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キーワード | 乱流混合 / 化学反応 / レ-ザ螢光 / 濃度と測度の同時測定 |
研究概要 |
乱流場に予混合されていない二つの反応性物質が投入された場合、化学反応は乱流混合により複雑に変形される界面を通して分子拡散により進行する。この化学反応を伴う乱流混合の問題は化学反応器や燃焼器の中の反応速度の正確な評価や制御に関する工学的な問題、あるいは、自動車排気ガス等の大気拡散の予測と制御に関する環境工学の問題と結びつき、その解明が切望されている。これらの反応乱流の問題を工学的に解決する場合には、反応物質の乱流拡散現象、特に、乱流混合と化学反応の相互効果を解明し、これをモデル化することが重要である。しかし、これを行う場合、反応物質の拡散方程式の中に現れる乱流物質フラックスと反応物質の瞬間濃度の積で表される反応項を正確に評価することが重要であり、そのためには、乱流の最小スケ-ルであるコルモゴロフの空間・時間スケ-ルよりも小さな分解能で反応物質の瞬間濃度と速度の同時測定をおこなうことが必要になる。そこで、本研究では、この問題を解決するため、拡散方程式中に現れる乱流物質フラックスを正確に評価することを目的として、そのために必要とされる濃度と速度の同時測定技術の開発を目指した。本年度は、反応の無い乱流場での濃度と速度の同時測定技術を開発した。この方法は、波長の異なるヘリウムネオン、アルゴンレ-ザを利用したレ-ザ螢光法およびレ-ザドップラ-法を用いた測定技術であり、速度に対して約100ミクロン、濃度に対して、20ミクロンの空間分解能を持ち、しかも、非接触で瞬間濃度と速度の同時測定を世界ではじめて可能にした。また、この測定を基にして、物質の格子乱流場での拡散機構を考察し、乱流拡散係数の定量的評価をも行い、次年度の反応乱流場での実験との比較を可能なものとした。
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