研究分担者 |
種田 雅信 (株)神戸製鋼所, 技術開発本部超伝導低温技術センター低温グループ, 研究員
大平 勝秀 三菱重工業(株), 長崎研究所ターボ機械研究室, 主務
久保田 裕巳 九州大学, 工学部, 助手 (10117103)
笠尾 大作 九州大学, 工学部, 助手 (20037972)
高田 保之 九州大学, 工学部, 助教授 (70171444)
|
研究概要 |
1. 2.177[K]以下のヘリウムIIの温度域専用の超伝導線電気抵抗式液面計を試作し,動作試験を行った。直径が0.2[mm]のハステロイ線に錫をスパッタリング法によりコーティングしたセンサを用いた。動作試験では次のことを検討した。 (1)測定精度を高めるための錫の適正なコーティング厚さ。 (2)ヘリウム膜の効果および膜沸騰により見かけの液面が上昇したり低下したりするため,この見かけの誤差をなくすために必要な供給電流。 (3)冷媒の経済性の観点から,液位測定時のみセンサへ電流を供給し,その際最低限必要なセンサへの供給電流。 測定精度を高めるために,常伝導時の超伝導体の長さ当たりの電気抵抗をハステロイの電気抵抗に比べ十分に大きくした。実験の結果,錫の面抵抗が3.89[Ω/□]の時最もよい結果が得られた。再現性も良好で測定精度は0.45[mm]であった。通常この種の液面計では常時電流を供給し液位測定を行っているが,開発したセンサは必要な時のみ電流を供給しても同じ結果を得ことができた。供給電流はわずか120[mA]であった。このセンサを用い液面計を試作した。 2.浮力式,超音波式および差圧式液面計の開発を合わせて行った。浮力式では精度が数mmの測定は可能であったが,センサ部が非常に過敏なため取扱いに注意が必要で再現性を得ることが困難であった。超音波式は高精度の測定を行うには計測機器が高価すぎるため液面計としては適当ではなかった。差圧式は低温域で微少な圧力を測定するための適当な歪の材料がなく高精度な液位測定はできなかった。
|